台風で雨漏りが発生した際の対処法は？原因や放置するリスクを解説
「台風で雨漏りしたときの対処法について知りたい」と考える人もいるのではないでしょうか。
台風で発生しがちなトラブルの1つが、突然の雨漏りです。
雨漏りは放置すると、住宅にトラブルを引き起こします。
本記事では台風で雨漏りが発生した際の応急処置や放置するリスクについて紹介していきます。
台風の雨漏りに頭を悩ませている方は、ぜひ参考にしてみてください。
雨漏りが発生した際は、業者へ修理を依頼するのが一般的です。
雨漏りの修理工事は、専門的な知識や経験などのノウハウが必要になるからです。
たとえばDIYによる屋根の修理工事は、転倒事故のリスクが伴うだけではなく余計な雨漏りを悪化させてしまう要因になりかねません。
業者が到着するまでにご自身で実施できる応急処置は、以下の通りです。
・ブルーシート、防水シートで雨漏り発生箇所を防ぐ(雨水の浸入箇所が分かる場合)
・バケツで受ける
・電化製品が濡れないように移動させる(漏電、故障対策)
それぞれ詳しく紹介します。
応急処置はあくまで一時的な対処法です。
腐食などのトラブルが発生する前に早めの対処をおこないましょう。
ブルーシート・防水シートで雨漏り発生箇所を防ぐ(雨水の浸入箇所が分かる場合)
雨水の浸入箇所が分かる場合は、ブルーシートや防水シートで雨漏りの発生箇所を防ぎましょう。
物理的に雨水の浸入を防ぐことで、被害の拡大を抑えられます。
特に広範囲にわたって雨漏りが発生しているときに有効です。
ブルーシートがない場合は、ひとまずタオルなどで雨水の浸入を防ぎましょう。
タオルを使用する場合は、カビや腐食の原因になるので、こまめに交換してください。
室内に雨水が浸入してきている場合は、バケツなどの容器で雨水を受け止めましょう。
雨水を放置しておくと、家具や床が傷んでしまうおそれがあります。
バケツの中にタオルや雑巾などを仕込んでおくと、雨水がはねないように対策できます。
雨水がはねても問題がないように、バケツのまわりにタオルや新聞紙も敷いておくとより安心です。
電化製品が濡れないように移動させる(漏電・故障対策)
漏電や故障対策として、電化製品が濡れないように移動させるのも大切です。
漏電してしまうと、自分や家族が感電する危険があるので、十分に注意しましょう。
電化製品の移動が難しい場合は、ブルーシートなどで覆って、濡れないように対処してください。
もし電化製品が濡れてしまった場合は、コンセントからプラグを外して雨水を拭き取りましょう。
拭き取ったあとは、完全に乾くまで、使用しないのがおすすめです。
台風による雨漏りで知っておきたいポイントについて、以下の内容を紹介していきます。
・雨漏り修理で火災保険が使用できるか確認する
・屋根に絶対登らない、自分で修理しない
・災害時には悪徳業者が急増することを把握する
それぞれ順番に解説していきます。
台風が原因で発生する雨漏りは、火災保険を利用できる場合があります。
たとえば、台風や雹被害などの自然災害による影響で雨漏りが発生した場合に適用可能です。
火災保険を利用した雨漏り修理は、以下のような原因では利用不可です。
・経年劣化
・施工不良
・修理費用を安くするだけが目的
・リフォームによる損傷
・災害発生から3年経過
保険によって適応条件が異なります。
火災保険を利用した雨漏り修理は、事前に内容を確認しておきましょう。
台風被害の災害直後は、屋根の状態が不安定で非常に危険です。
たとえば、剥がれかけた瓦が飛散しているときに、固定されていない屋根材を踏んで滑り落ちてしまう転倒事故が起こるリスクがあります。
屋根の修理工事は、特殊な専門知識と長年の現場経験により積み重ねられたノウハウが必要な工事です。
自分で実施する修理工事は労力を費やしたにも関わらず、さらなる雨漏り拡大のリスクを招くことも少なくありません。
確実に雨漏りを修理するなら、自分で屋根に登って修理を試みず、プロの到着を待つのがおすすめです。
台風の被害規模が大きいケースでは、屋根修理の業者が不足するといった事例も珍しくありません。
加えて自然災害の被害による混乱や動揺に便乗して、専門業者を偽る悪徳業者も発生します。
たとえば、ビニールシートだけで問題箇所を覆う簡単な養生だけで、数十万円の請求が行われるケースがあります。
屋根修理になれていない素人による手抜き工事の被害も想定されるでしょう。
台風被害による屋根修理は、過去実績が豊富でインターネット上で確認できる業者を選択するのが失敗を防ぐためのポイントです。
普段の雨では雨漏りしないのに、台風や警報級の大雨のときだけ雨漏りすることがあります。
考えられる原因としては、普段にはない強風による圧力や、普段とは異なる方向から雨が当たることなどです。
住宅は、基本的に上からの雨を想定した作りや防水になっているため、台風などで横から吹き付けるような雨に弱い傾向があります。
ほかにも、雨樋が水を排出しきれない場合や、少々の雨では問題にならないような住宅の劣化部分から水が入っている場合も考えられます。
台風で雨漏りが発生する原因は以下の通りです。
・屋根の破損
・瓦のズレや板金の浮き
・雨樋の詰まり
・経年劣化
・施工不良や手抜き工事
順を追って解説していきましょう。
台風の雨漏りが発生する原因として、スレート屋根や瓦の割れ・板金のめくれといった屋根材の破損が挙げられます。
瓦は角材に引っ掛けているだけで、簡単な構造をしている屋根が多く飛散しやすい屋根材です。
飛散した瓦が別の住宅の瓦へ衝突したり、スレート屋根へ衝突したりすることで屋根材が破損するトラブルが発生する場合も少なくありません。
屋根の棟部分に備え付けてある板金や雨押え水切りなどが強風によりめくれる、といった被害も発生します。
台風被害による屋根材の破損は雨漏りの原因へと直結するため、定期的な点検が求められます。
瓦のズレや板金の浮きといった不具合も雨漏りが発生する原因の1つです。
瓦のズレや板金の浮きは雨水の浸入を防ぐ屋根材本来の性能が失われるため、雨水の浸入経路になりかねません。
特に漆喰が経年劣化を引き起こし、固定力が弱くなった棟瓦は雨漏りの原因箇所として多い部分なので注意が必要です。
漆喰は棟瓦の中に葺いてある土が外に流れ出ないようにする、重要な役割を担う箇所です。
漆喰内部の土が台風などの影響で流れ出てしまうと、結果として棟瓦のズレに繋がります。
棟瓦のズレは漆喰の交換工事を行うなど、定期的なメンテナンスが台風被害による雨漏りを未然に防ぐ対策例です。
放置し続けた雨樋の詰まりも、台風被害による雨漏りに発展する原因の1つです。
詰まった雨樋に台風などの大雨で大量の水が流れ込むと、オーバーフローと呼ばれる現象が発生します。
オーバーフローとは雨樋が大量の水を排水できずに、溢れ出てしまう状態のことです。
一度も手入れをせず放置している雨樋は、屋根の落ち葉などが雨樋に詰まり蓄積しているケースも珍しくありません。
特に雨樋を放置し続けた結果、蓄積した落ち葉が土になり雑草が生える場合もあります。
放置し続けると排水できなかった雨水が直接屋根に伝わり、雨漏りの原因を引き起こします。
雨樋は屋根の雨水を適切に排水する役割を果たす、住宅でも大切な役割をもった箇所です。
未然に雨漏りを防ぐためには、詰まりの解消や交換工事などの定期的なメンテナンスを行うことが求められます。
住宅の経年劣化も、台風が引き金となり雨漏りトラブルを発生させる要因です。
経年劣化の具体例としては、以下のような原因が想定されます。
・防水シートの劣化
・外壁の劣化
・シーリングのひび割れや剥離
・漆喰の劣化が引き起こす瓦のズレ
特に天窓やソーラーパネルを取り付けている屋根は、雨漏りトラブルが多いため注意が必要です。
台風の時だけ雨漏りが発生する場合は、外壁やシーリングのひび割れから雨水が吹き込んでいる可能性があります。
ひび割れしやすいモルタル壁やつなぎ目にシーリングが多用されている一部のサイディング外壁には、定期的なメンテナンスが求められます。
シーリング交換は二階部分の窓枠など高所作業が伴うため、足場を設置する貴重な機会である外壁塗装とあわせて実施するのがおすすめです。
住宅の新築時から雨漏りが発生する場合には、施工不良や手抜き工事により雨漏りが発生している恐れがあります。
特に天窓は雨仕舞いと呼ばれる正しい施工が行えていない場合、雨漏りが発生するケースが多い箇所の1つです。
縁切りをしていないスレート屋根の塗装や不適切な太陽光パネルの設置工事も施工不良で雨漏りが発生する場合があります。
施工不良や手抜き工事の対策は、過去実績が豊富で信頼度の高い業者へ依頼することが失敗を防ぐために重要なポイントです。
台風で雨漏りが発生した場合に見られる症状は以下の通りです。
・天井のシミ
・壁紙の黒いシミ
・障子や襖の波うち
・外壁の剥がれやシミ
・結露、床が膨れ上がる
雨漏りは修理が遅れるほど、大きな出費が伴います。
野地板や防水シートの交換など、雨漏りではさまざまな修理が必要になります。
初期症状は大雨や強風が伴った後に不具合が発生しやすいので、台風の経過後は症状の一例が発生していないか確認しましょう。
台風の雨漏り補修費用は、以下の要因で変動することがあります。
・屋根材や施工方法
・修理する規模の大きさ
・足場の設置や資材運搬が困難な立地
それぞれ詳しく紹介するので、費用節約に役立ててください。
修理する屋根材の種類や施工方法によって、費用が変動します。
屋根材は、トタンなどの安価なものから瓦などの高額なものまでさまざまです。
瓦を選ぶとしても、瓦にも種類が複数あり、種類に応じて金額に幅があります。
安い屋根材は機能性が低いことがあり、メンテナンスコストが余分にかかるおそれもあるので、注意が必要です。
葺き替えやカバー工法など、どのような施工方法を選ぶかによっても、費用が異なります。
信頼できる業者に相談して、最適な屋根材・施工方法を提案してもらうのがおすすめです。
部分的に修理するだけで済むのか、屋根を全面的に葺き替える必要があるのかによっても、大きく費用が異なります。
規模が大きくなるほど、部材の使用量や職人の数、工事期間が必要となるので、費用が高くなりがちです。
費用が高額になるからといって部分的な修理に留めると腐食が進むなど、被害が大きくなる恐れがあります。
雨漏りが広範囲にわたって発生している場合は、高額な費用がかかることを認識しておきましょう。
住宅の立地によっては、費用が高くなる場合があります。
住宅の立地の問題で足場を組むのが難しい場合、特殊な部材や追加の手間が必要になるため、費用が高くなりがちです。
たとえば隣の住宅との間に十分なスペースがない、境界道路の道幅が狭いという場合、特殊な部材の用意が必要になります。
住宅の近くに車が停められない場合も、資材の運搬が手作業になるため、その分費用が加算される場合があります。
火災保険は自然災害が原因で住宅などの修理が必要になった場合、保険金が下ります。
台風で雨漏りが発生した場合、火災保険が使えるケースが多い傾向にあります。
火災保険の申請は以下のとおりです。
・保険会社へ連絡
・修理業者にも連絡
・書類をそろえて保険会社に提出
・鑑定人による現地調査
・保険金の支払い
保険法により、保険金の支払いは申請してから原則30日以内です。
特別な照会や調査が必要な場合は、延長されることもあります。
火災保険を申請する際には、以下に注意しましょう。
・保険金の請求期限は被害を受けた日から3年以内
・原因が経年劣化と判断された場合、保険金が下りない
・免責金額を設定している場合、免責金額に達していないと保険金が下りない
・免責金額を超えていても、支払われる金額は免責金額を引いた金額となる
保険金が下りない場合や不足分は、自費での修理となります。
台風の雨漏り修理を依頼する業者を選ぶ際には、以下のポイントをチェックするのがおすすめです。
・雨漏り修理の実績が豊富
・有資格者が在籍している
それぞれ詳しく解説するので、業者選びの参考にしてください。
業者を選ぶ際には、雨漏り修理の施工実績が豊富かどうか確認しましょう。
雨漏り修理の実績が豊富であれば、高品質な施工が期待できます。
経験が豊富な分、トラブルにも柔軟に対応してもらえることも多いです。
施工実績の掲載は施主の許可が必要になります。
実績が多く掲載されている業者は、施主と良好な関係を築けていることが多いので、優良業者である可能性が高くなります。
施工実績は業者のホームページに掲載されていることがほとんどです。
雨漏り修理を相談する前に、業者のホームページをご確認ください。
雨漏り診断士や建築士など、有資格者が在籍している業者がおすすめです。
雨漏り診断士は、NPO法人「雨漏り診断士協会」による資格です。
屋根の修理や雨漏り修理の専門家として、必要な知識と補修能力を持つことを示します。
建築士の資格を持っている業者は、建物全体の状態を踏まえて適切な修理方法を提案してくれる傾向があります。
資格を持っていないと雨漏り修理ができないわけではありません。
しかし有資格者が在籍している業者であれば、より安心して工事を依頼できるので、有資格者の有無を確認するのがおすすめです。
台風などにより引き起こされた雨漏りは、放置すると以下のような被害へと発展します。
・シロアリの発生
・天井の腐食や崩壊
・下地や柱など木造部分の腐食
・外壁の崩壊
・カビによるアレルギーの進行
・住宅の傾き
雨漏りの放置により発生した住宅のダメージは、雨漏り修理費用より高額な出費につながるケースも珍しくありません。
雨漏りが発生した際には高額な修理費用を発生させないためにも、速やかな修繕が必要です。
台風が来る前にできる雨漏り対策は以下のとおりです。
・事前に自宅の点検、メンテナンスを行う
・窓に雨戸やシャッターを設置する
・雨漏り発生時に役立つアイテムを用意する
これらを行うことで、雨漏りの被害を予防できたり、発生しても慌てず対処できたりします。
それぞれ詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
台風シーズンが訪れる前に、自分で自宅を点検しましょう。
点検は目視で問題ありません。
住宅に色あせやひび割れ、コケの有無など、劣化がないか確認しましょう。
点検する際には屋根などの高所に登らず、見える範囲で行うようにしてください。
高所に登って落下すると、骨折などの大怪我を負う危険があります。
もし住宅の欠損や劣化などを見つけた場合は、信頼できる業者に、点検・メンテナンスを依頼してください。
わずかな欠損や劣化であっても、雨漏りにつながるおそれがあるので、迷わず業者に依頼するのがおすすめです。
窓に雨戸やシャッターがないなら、それらを設置するのもおすすめです。
台風の少ない地域では、窓に雨戸やシャッターがない住宅やマンションが少なくありません。
窓の外側に雨戸やシャッターを取り付けておくと、窓まわりの雨漏りを防ぐ効果が期待できます。
雨戸やシャッターがあると、強風や飛んできたもので窓ガラスが割れる危険もなくなります。
毎年台風が来るのであれば、雨戸やシャッターの取り付けを検討するのがおすすめです。
雨漏りが発生したときに慌てないよう、応急処置に役立つアイテムも用意しておきましょう。
たとえばバケツや吸水シート、ブルーシートなどが挙げられます。
バケツや吸水シートは室内に落ちてきた雨水を受け止めるのに役立ちます。
ブルーシートは、広範囲に雨漏りしている場合に雨漏り箇所を覆うのに有効です。
雨漏りが発生したときに探すことがないよう、事前に用意しておきましょう。
本記事では、台風被害による雨漏りが発生した際の原因や対処法について紹介していきました。
台風などの原因で発生する雨漏りは、放置すると修理費用が高額になりかねません。
大切な住宅を雨漏り被害によるダメージから守るためにも、台風の影響が受けるタイミングがあった際は早めに実績豊富な屋根の専門業者への修理依頼を検討してみましょう。
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