コロニアル屋根にカバー工法を使うメリットや葺き替え工事との違いを紹介
「コロニアル屋根ってどんな屋根なのだろう？」
「カバー工法と葺き替え工事の違いってなんだろう？」
コロニアル屋根は軽量でデザインが豊富にある屋根材です。
カバー工法でリフォームすることで断熱性や防水性、防音性を高められます。
本記事ではカバー工法を使ってコロニアル屋根をリフォームする方法について、以下の点を中心に解説します。
・コロニアル屋根の特徴
・カバー工法と葺き替え工事との違い
・コロニアル屋根をカバー工法でリフォームするメリットとデメリット
コロニアル屋根をカバー工法でリフォームするのがおすすめな場合の例も解説していますので、ぜひ最後までご一読ください。
コロニアル屋根について簡単に解説します。
コロニアル屋根とはセメントやけい酸質原料、石綿以外の繊維質原料や混和材料などを用いて作られるスレート瓦のことです。
「コロニアル」は、屋根材メーカーのクボタ（現：ケイミュー）が発売したスレート屋根の商標名です。
多くの物件で使われるようになったため、そのままコロニアル屋根と呼ばれるようになりました。
スレート瓦は価格が安く、軽量でデザインが豊富にあるのがメリットです。
その一方、薄いためヒビ割れしやすく、色褪せもしやすいので10年おきにメンテナンスが必要です。
カバー工法は既存の屋根の上に新しい屋根を取り付けるのに対し、葺き替えの場合は既存の屋根を撤去してから新しい屋根材を取り付ける点が、主な違いです。
葺き替えの場合は屋根を取り外すため、防水シートや野地板の補修も行え、屋根の耐久性を高められるのがメリットです。
その一方で既存の屋根を撤去する分、手間とコストがかかるのがデメリットとなります。
特にアスベストが含まれる屋根の場合は撤去費用が高額になるため、カバー工法でリフォームした方が費用を抑えられます。
コロニアル屋根をカバー工法でリフォームするメリット
コロニアル屋根をカバー工法でリフォームするメリットは下記の通りです。
・コストを抑えられる
・工期を短縮できる
・断熱性や防水性、防音性を高められる
・騒音やホコリを抑制できる
・アスベストを含んだ屋根にも対応できる
コストが工期といった面だけでなく、機能性にも優れているのがカバー工法の大きなメリットです。
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
コロニアル屋根をカバー工法でリフォームすると、葺き替え工法と比べてコストを抑えられるのがメリットです。
葺き替え工法は、既存の屋根を撤去し、新しい屋根材を張り付けるものです。
この場合は、屋根の撤去費用がかかり、手間もかかるためリフォーム費用が高額になります。
一方で屋根カバー工法は、既存の屋根を取り外さずにそのまま使用するものです。
撤去費用がかからない分、リフォーム費用を抑えられます。
屋根カバー工法は、既存の屋根の上に新しい屋根材を取り付けるため、葺き替え工法よりも工期を短縮できます。
葺き替え工事の場合は、既存の屋根を解体してから新しい屋根材を取り付けるので、カバー工法よりも工期が長くなります。
工期が短くなると人件費も安く済むため、リフォーム費用を抑えられるのもポイントです。
コロニアル屋根を屋根カバー工法でリフォームすると、断熱性や防水性、防音性も高められるのがメリットです。
屋根カバー工法は、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねるため、屋根が二重構造になります。
そのため外部の冷気が入り込みにくくなり、雨水の浸入を防げ、室内の音が外部に漏れるのも抑制できます。
カバー工法を使ってコロニアル屋根をリフォームすることで、騒音やホコリの問題も解消できます。
屋根カバー工法であれば古い屋根を取り外さずに済むので、工事中の騒音やホコリの発生を軽減できます。
住宅が隣接している場合は、周囲への影響が少ないカバー工法を使ってリフォームするのがおすすめです。
カバー工法を使えば、アスベストを含んだコロニアル屋根にも対応できます。
アスベスト（石綿）は繊維がとても細かく、人が吸い込むことで健康被害が発生する恐れがある物質で、現在では使用が禁止されています。
しかし、2004年に国からアスベストの使用禁止が通達されるまでは、アスベストを混ぜたスレート屋根が製造・販売されていました。
そのため、アスベストの使用が禁止される前に設置されたコロニアル屋根には、アスベストが含有されている恐れがあります。
屋根カバー工法の場合は既存の屋根を撤去しないため、アスベストが飛散するのを抑制できます。
コロニアル屋根をカバー工法でリフォームするデメリット
コロニアル屋根をカバー工法でリフォームするデメリットは下記の通りです。
・劣化が進んでいる場合はカバー工法が使えない
・瓦屋根の場合は屋根カバー工法が使えない
一部の屋根材や劣化が激しい場合は、カバー工法ではなく下地から屋根材を新しいものにする「葺き替え」が必要になります。
カバー工法でコロニアル屋根リフォームする場合に起こりうるデメリットについて、それぞれ解説します。
既存の屋根の劣化が進んでいる場合は、カバー工法ではリフォームができません。
屋根の下地や内部が劣化している場合は修繕が必要なため、既存の屋根をそのまま使い、新しい屋根材をかぶせるカバー工法は不向きです。
屋根の下地や内部の劣化が激しい場合は、既存の屋根を撤去し、屋根の骨組みから作り直して葺き替えをするのがおすすめです。
カバー工法をする場合と比べリフォーム費用はかかりますが、一から作り変えることで屋根全体の耐久性もアップできます。
瓦屋根は波形であったり厚みがあったりするため、上から屋根をかぶせるカバー工法は不向きです。
瓦屋根を新しい屋根材に取り替える場合は、既存の屋根を一度撤去し、新しい屋根を取り替える葺き替え工法がおすすめです。
コロニアル屋根をカバー工法でリフォームするのがおすすめな例
コロニアル屋根をリフォームする際に、カバー工法がおすすめな例は下記の通りです。
・できるだけ費用を抑えたい
・屋根の内部は劣化していない
・平らで軽量な屋根を使用している
・屋根にアスベストが含まれている
カバー工法を使ってコロニアル屋根をリフォームすれば、既存の屋根をそのまま活用できるため、葺き替えよりもコストを抑えられます。
また屋根の内部は劣化しておらず、そのまま利用できる場合もカバー工法を使うのがおすすめです。
なお瓦屋根のような表面に凹凸がなく平らで、軽量な屋根が取り付けられている場合も、上から新しい屋根材をかぶせるカバー工法が適しています。
さらに既存の屋根にアスベストが含まれている場合も、カバー工法であれば繊維の飛散を防げます。
カバー工法でコロニアル屋根のリフォームを検討してみよう
カバー工法でコロニアル屋根をリフォームすることでコストを抑えられ、断熱性や防水性、防音性も高められます。
またアスベストを含んだコロニアル屋根の場合、カバー工法を使えば有害物質の飛散を抑制できます。
コロニアル屋根をリフォームする場合は、カバー工法を使うことを検討してみてください。
