アスファルトシングルでかぶせ工法を行うメリットや注意点を徹底解説
「アスファルトシングルってどんな屋根なのだろう？」
「かぶせ工法でリフォームするとどんなメリットがあるのだろう？」
屋根の劣化が目立ってきたときに、屋根材のひとつであるアスファルトシングルを使ったかぶせ工法でリフォームする、という方法があります。
本記事ではアスファルトシングルでかぶせ工法を行う場合について、以下の点を中心に解説します。
・かぶせ工法について
・アスファルトシングルをかぶせ工法で使うメリットとデメリット
・アスファルトシングルで行う場合とガルバリウム鋼板で行う場合の比較
アスファルトシングルのかぶせ工法でリフォームする際の注意点も解説していますので、ぜひ最後までご一読ください。
まずアスファルトシングルにはどのような特徴があるのか、かぶせ工法とはどのようなリフォーム方法なのか解説します。
アスファルトシングルとはガラス基材にアスファルトを浸透させて、そのうえに砂や石粒を吹き付ける屋根材のことです。
100年以上前に北米で誕生したといわれており、海外で多く使われています。
アスファルトシングルはデザイン性が高く、軽量で防水性が高いのが特徴です。
かぶせ工法とは、既存の屋根の上に新しい屋根を取り付けるリフォーム方法のことで、カバー工法とも言います。
既存の屋根を撤去して新しい屋根を取り付ける葺き替え工事と違い、コストを抑えられ、工期を短縮できるのがメリットです。
また屋根を重ねるため遮熱・遮音効果を高める効果も期待できます。
アスファルトシングルをかぶせ工法で使うメリットは下記の通りです。
・屋根の重量を抑えられる
・防水性が高い
・複雑な形状の屋根でも施工しやすい
それぞれのメリットについてわかりやすく解説します。
アスファルトシングルは軽量な素材のため、屋根の重量が重くなるのを防げます。
屋根の重さで家の重心が高くなると、耐震性が弱まるため、屋根の重さが重くなるのを避けたい方はアスファルトシングルがおすすめです。
アスファルトシングルは瓦屋根やスレート屋根と比べるととても軽いため、耐震性が弱まる心配がありません。
アスファルトシングルは防水性が高いのも特徴です。
アスファルトシングルはガラス繊維とアスファルトで作られており、仕上げ材に防水シートが使われているため、防水性に優れています。
一般的な屋根材では、防水シートを固定する際に釘やビスを使うと穴があいてしまい、雨漏りの原因になります。
しかしアスファルトシングルは専用の接着剤で固定するため、雨漏りが発生しにくいのもメリットです。
アスファルトシングルは、波型であったり丸みを帯びていたりする屋根でも施工しやすいのが特徴です。
アスファルトシングルはとてもやわらかくカッターやハサミでカットできるので、複雑な形状の屋根でも張り付けやすいのがメリットです。
そのためスレート以外の形状の屋根をかぶせ工法でリフォームする場合は、アスファルトシングルを使ってみてください。
アスファルトシングルをかぶせ工法で使うデメリットは下記の通りです。
・強風ではがれたり破れたりする恐れがある
・経年劣化で石粒が落ちてくる
・湿気や気温の影響を受けやすい
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
アスファルトシングルは薄くて軽量なため、強風ではがれたり破れたりする場合があります。
さらにセメントの添付や圧着作業が不十分であると、屋根材が風邪であおられたり破損したりする恐れがあります。
屋根材がはがれてしまうと雨水が入り込み、屋根の内部の劣化につながりかねません。
不安な場合は、破損している部分がないか業者に点検を依頼するのがおすすめです。
アスファルトシングルは施工してから年数が経つと、経年劣化により表面の石粒がはがれ落ちる恐れがあります。
石粒自体はとても細かくケガをするリスクはないものの、地面に落ちた石粒を掃除する手間がかかるのがデメリットです。
また広範囲にわたり表面の石粒がはがれると、屋根自体の劣化につながります。
屋根の劣化状態が悪化しないよう、定期的なメンテナンスを行っておくのがおすすめです。
アスファルトシングルは他の屋根材と比べ、湿気や気温の影響を受けやすいのも特徴です。
アスファルトシングルは断熱性が低く空気層がないため、水分が内部で凍ったり湿気がたまったりすることがあります。
屋根内部の凍結やカビとコケの発生、熱による伸縮が起きると屋根の劣化を進める恐れがあるのがデメリットです。
かぶせ工法をアスファルトシングルで行う場合とガルバリウム鋼板で行う場合の比較
かぶせ工法をアスファルトシングルで行う場合と、ガルバリウム鋼板で行う場合の違いは下記の通りです。
・ガルバリウムの方が軽い
・アスファルトシングルは下地の腐食や雨漏りが発生しやすい
・アスファルトシングルは耐久性や断熱性が弱い
アスファルトシングルを使う場合と、ガルバリウム鋼板を使う場合で異なる点についてお伝えします。
アスファルトシングルと比べると、ガルバリウム鋼板の方が軽量です。
アスファルトシングルは主原料がアスファルトであるのに対し、ガルバリウム鋼板はアルミニウムや亜鉛などの薄い鉄板を使用しているため、重量がおよそ半分と軽いのが特徴です。
そのため屋根の耐震性を心配されている方や、地域の地盤が悪い場合は、ガルバリウム鋼板を使ってリフォームをすることも検討してみてください。
アスファルトシングルは下地の腐食や雨漏りが発生しやすい
アスファルトシングルは、ガルバリウム鋼板と比べて下地が腐食したり雨漏りしたりしやすいのも特徴です。
屋根の頂点部分にある金属製の板である棟板金の仕上げを行う際、アスファルトシングルの場合は屋根材に直接穴をあけるため、内部に雨水が入り込みやすくなります。
一方で金属屋根であるガルバリウム鋼板は、雨水が棟板金内部に入り込まないよう施工するため、雨漏りを抑制できます。
アスファルトシングルは、ガルバリウム鋼板と比べて耐久性や断熱性が低いのも特徴です。
以前使われていたファイバーグラスは特に質が低く、年数が経つと水を含んで表面がふくれ上がった商品も確認されています。
一方でガルバリウム鋼板は、サビによる穴あきの拡大を抑える防食作用を持つ亜鉛が使われているため、さびにくく耐久性が高い素材です。
またガルバリウム鋼板は断熱材が一体化されているため、断熱性が高いのもポイントです。
アスファルトシングルをかぶせ工法でリフォームする際の注意点
アスファルトシングルをかぶせ工法でリフォームする際の注意点は下記の通りです。
・勾配がゆるやかな場合はアスファルトシングルを使えない
・防火地域または準防火地域ではアスファルトシングルを使えない場合がある
・施工を請け負っている業者が少ない
アスファルトシングルをかぶせ工法でリフォームする際に、気をつけるべき点について解説します。
勾配がゆるやかな場合はアスファルトシングルを使えない
屋根の勾配がゆるやかな場合は雨水がたまりやすいため、うまく排水できなくなってしまいます。
屋根の勾配は事前に業者に調べてもらい、アスファルトシングルが使えるかどうか確かめておくのがおすすめです。
ガルバリウム鋼板の方がアスファルトシングルよりも防水性が高いため、 屋根の勾配がゆるやかな場合は屋根材の変更も検討してみてください。
防火地域・準防火地域ではアスファルトシングルを使えない場合がある
自宅が防火地域または準防火地域にあたる場合、アスファルトシングルを使えない場合があります。
防火地域・準防火地域とは、都市計画法において「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」として指定されるエリアのことです。
アスファルトシングルは燃えやすい素材のため、製品によっては使用できないものもあるので注意しましょう。
防火地域・準防火地域でアスファルトシングルを使う場合は、「屋根飛び火認定」がされている耐火性の高いものを選ぶのがおすすめです。
アスファルトシングルを使ってリフォームをする場合、施工を請け負っている業者が少ないため、業者選びに苦戦する恐れがあります。
日本国内ではアスファルトシングルがあまり普及していないため、業者を探すときに苦労することも予想されます。
アスファルトシングルを使ってリフォームをする際は、アスファルトシングルの施工実績があり、アフターメンテナンスにも対応している業者を選ぶのがおすすめです。
「屋根やさん」ではアスファルトシングルの施工実績がありますので、安心しておまかせください。
アスファルトシングルを使ったかぶせ工法で屋根をリフォームしよう
アスファルトシングルは他の屋根材と比べて軽量で防水性が高いです。
一方、はがれやすく表面の石粒が経年劣化によりはがれ落ちやすいのがデメリットといえます。
アスファルトシングルを使ってかぶせ工法でリフォームする際は、メリットとデメリットについて把握しましょう。
自宅の屋根のリフォームに適しているか悩んでいる方は、お気軽に「屋根やさん」まで
ご相談ください。
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