スレート屋根はカバー工法できる？費用やメリット・デメリットを紹介
「スレート屋根の修繕を考えているけど、カバー工法はできる？」「カバー工法にかかる費用を知りたい」などとお考えではありませんか。
本記事では、スレート屋根のカバー工法にかかる費用やメリット・デメリットを紹介します。
本記事を読むと、できる限り費用を抑えたカバー工法の依頼が可能です。
スレート屋根にカバー工法を施して快適に生活したいとお考えの方は、最後までお読みください。
スレート屋根でもカバー工法で施工できます。
そもそもスレート屋根とは何か、カバー工法とはどのようなものか、詳しく解説します。
スレート屋根はセメントを材料としており、現代では使用されることが多い印象のある屋根材です。
セメントではなく天然の粘板岩を使用した高級感のあるスレートもありますが、一般住宅にはあまり使用されません。
なお平成18年（2006年）以前に製造されたスレート屋根には、健康被害が懸念されるアスベストが含まれている恐れがあります。
アスベストは、平成18年の
労働安全衛生法施行令の改正で原則使用禁止となりました。
そのため法改正以降に製造されたスレート屋根は、基本的にアスベストが含まれていません。
カバー工法とは、既存の屋根に新しい屋根材をかぶせる工法のことです。
既存の屋根をそのままにするため、撤去する手間と費用がかかりません。
スレート屋根のカバー工法には、2種類の方法があります。
・直接下葺き材カバー工法
・野地板増し張りカバー工法
一般的に野地板（屋根の下地材）の状態が良ければ「直接下葺き材カバー工法」、状態が悪ければ「野地板増し張りカバー工法」で施工します。
なお新しい屋根材をかぶせるというカバー工法の特性上、スレート屋根に使用できる屋根材はガルバリウム鋼板のような軽い金属屋根が基本です。
ガルバリウム鋼板は耐震性が高く価格も安いうえ錆びにくいメリットがあるため、スレート屋根のカバー工法に適しています。
スレート屋根のカバー工法にかかる費用が変動する要素
スレート屋根のカバー工法にかかる費用は、下記のようにさまざまな要素により変動します。
・使用する屋根材の質
・周辺環境の影響
・補助金、助成金の有無
対象の建物が入り組んだ場所にあったりスペースが狭かったりすると作業がしにくいため、費用が高くなる可能性があります。
ひとつずつ見ていきましょう。
カバー工法に使用する屋根材の質は、費用に影響します。
良い屋根材を使用すると価格は高くなる傾向にありますが、機能性に優れていたり耐用年数が長かったりします。
長期的なメンテナンスコストを考慮すると、コストパフォーマンスが良く経済的です。
安価な材料を選ぶと初期費用は抑えられますが、将来的な補修や交換の頻度が増えることでトータルコストが上がる可能性もあります。
スレート屋根のカバー工法をおこなう際、費用が変動する要因のひとつが現場周辺の環境です。
周辺環境が作業に適していなければ作業の難易度が上がり、費用が高くなったり工事期間が長くなったりします。
たとえば、下記のケースです。
・道の狭い場所に家があり、工事車両が入れない
・足場を作るスペースが十分にない
周辺の道路が駐車禁止で駐車場もない場合は、近くのコインパーキングを利用して資材を手運びする場合もあります。
パーキングの料金や手運びの手間賃も請求されるため、その分費用がかかってしまいます。
このように屋根と関係なく見えても費用に影響する場合があるため、周辺環境を確認しておきましょう。
屋根のリフォームには自治体からの補助金や助成金が利用できる可能性があり、これらの支援を活用することで工事にかかる費用を抑えられます。
ただし、すべての自治体が補助金や助成金を出しているわけではありません。
補助金や助成金の予算が残っているか、そもそも実施しているか事前に情報収集をすることをおすすめします。
補助金や助成金の内容や条件もさまざまなので、しっかりと確認しておきましょう。
スレート屋根をカバー工法するメリットは、下記のとおりです。
・施工費用を抑えられる
・工事期間が短く、すぐに元の生活に戻れる
・遮音性と断熱性が高まり、住み心地が向上する
カバー工法は既存の屋根に新しい屋根材をかぶせるため、いわば二重構造になります。
そのため、遮音性と断熱性の向上が期待できます。
ひとつずつ見ていきましょう。
カバー工法は、既存の屋根を撤去して新しい屋根材を取り付ける葺き替え工事と比べて作業工程が少なくなります。
人件費の削減が可能で、廃材を処分する費用もかかりません。
既存の屋根にアスベストが含まれている場合は、一般的に撤去費用は高額になります。
しかしカバー工法はそもそも既存の屋根を撤去しないため、アスベストを含む屋根でも費用を抑えて施工可能です。
カバー工法は既存の屋根を撤去する必要がないため、工事にかかる時間が短縮されます。
結果として、住宅の居住者は早く普段の生活に戻れます。
カバー工法・葺き替え工事のどちらも、基本的に仮住まいに移動する必要はありません。
生活への影響が最小限のため、工事中も普段どおりの生活を送れます。
カバー工法をすることで新しい屋根材が既存の屋根を覆うため、遮音性や断熱性が向上します。
屋根の性能が上がることで冷暖房の効率が高まり、エネルギーコストの削減も可能です。
夏は涼しく、冬は暖かい快適な居住空間を創出できます。
また遮音性が高まるため、多少の騒音であれば気にする必要はありません。
したがって、住み心地が向上して生活の質を高められます。
スレート屋根をカバー工法するデメリットは、下記のとおりです。
・耐震性に影響が出る恐れがある
・再びカバー工法はできない
・アスベストは除去されない
カバー工法は実質的に屋根がもう1つ追加されるため、重量が増して耐震性に影響が出る恐れがあります。
順番に見ていきましょう。
既存の屋根に新たな屋根材を重ねることで屋根の重量が増加し、耐震性に悪影響を及ぼしかねません。
特に耐震性に不安がある建物や耐震基準が更新される前に建築された建物では、カバー工法による影響が顕著になる恐れがあります。
ただしガルバリウム鋼板のような軽い屋根材を使用すると、基本的に悪影響を与える恐れはありません。
どうしても気になる方は、業者に耐震性への影響を確認するのがおすすめです。
一般的にカバー工法は、1度限りとされています。
カバー工法を2回おこなうと屋根材が3層になり、その重量が建物にとって大きな負担となるからです。
次に屋根を更新する際は、全面的な葺き替え工事をしなければなりません。
その際は既存の屋根材とカバー工法で設置した屋根材の2つを撤去する必要があり、費用が高額になります。
既存の屋根材にアスベストが含まれている場合、カバー工法では既存の屋根材を撤去しないためアスベストがそのままになってしまいます。
アスベストは健康被害を及ぼす可能性があり、除去作業は専門的な技術と厳格な規定が要求される作業です。
いずれは除去しなければならないうえアスベストの撤去費用は高額なため、次回の修繕費用がさらに高額になる恐れがあります。
スレート屋根のカバー工法をする場合は適切な業者を選ぼう
屋根のカバー工法を検討する際には、経験豊富で信頼できる業者の選定が不可欠です。
工事の品質は業者の技術力によって大きく左右されるため、事前の調査や過去の施工事例の確認が欠かせません。
適切な業者選びに時間をかけ、納得のいく屋根工事を実現しましょう。
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