トタン屋根の張り替え時期はいつ？費用を抑える方法や手順を紹介
トタン屋根は、ひと昔前まで多くの住宅に使用されていた屋根材です。
最近では、経年劣化により張り替えのタイミングを迎えている場合も少なくありません。
「うちのトタン屋根も施工してずいぶん経つけれど、そろそろ張り替えないといけないの？」と考えている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、トタン屋根の張り替えを考えるべき時期の目安や張り替えにかかる費用、コストを安く抑える方法などを解説します。
自宅トタン屋根の劣化や傷みが気になっている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
住宅のトタン屋根では、次のようなタイミングで張り替えを考える必要が出てきます。
・耐用年数から考える
・不具合が発生したタイミングで考える
はじめに屋根の施工を行ってから年月が経過した場合やトタン屋根に何らかの問題が生じた場合には、張り替えを検討しましょう。
トタン屋根の寿命は一般的に6～20年程度です。
耐用年数を経過したトタン屋根には劣化が生じている可能性があるため、張り替えを行わなければなりません。
トタン屋根は、5～7年ごとにメンテナンスとして再塗装を行えば寿命が伸ばせます。
しかし、たとえ長持ちさせたとしても耐用年数は20年程度が限界です。
トタンは錆が広がりやすい屋根材で、一度錆が発生してしまうと拡大しやすい特徴をもっています。
また雨水や結露水の浸入により、屋根材に腐食が起きる可能性があります。
以上の理由から、住宅のトタン屋根では最長20年に1回のペースで張り替え作業が必要といえるでしょう。
トタン屋根にさまざまな不具合が発生した場合も、張り替えが必要になるタイミングです。
トタン屋根が傷んでいる場合でも、軽い症状なら塗装や部分修理で済ませられます。
張り替えまで必要になるのは、特に激しい劣化の症状が見られる場合です。
錆が屋根全体に広がっていたり屋根材や釘が緩んだり浮いたりしているケースでは、張り替えが必要になります。
屋根に穴あきや腐食が見られたり、雨漏りが起きていたりする場合も簡易な部分補修で直すのは難しいでしょう。
雨漏りが起きているケースでは、屋根材だけでなく下地や防水シートまで劣化している可能性もあります。
トタン屋根の張り替えに必要な費用には、次の2種類があります。
・張り替えそのものにかかる費用
・足場の設置や交通費などの諸経費
張り替え作業の料金はもちろん、作業で使用する足場の費用もかかるため注意が必要です。
それぞれの費用の内訳や用途について解説します。
1つ目は、トタン屋根の張り替え作業そのものにかかる費用です。
トタン屋根の張り替え作業では劣化の度合いによっては下地材も補修しなければならないケースがあり、費用の総額が変わってきます。
・古いトタン屋根の撤去費用
・下地材となる野地板の張り増し費用
・ルーフィング（防水シート）の設置費用
・新しいトタン屋根の張り替え費用
・資材等の購入費用 など
トタン屋根の張り替えでは上記費用が必要です。
トタン屋根の張り替えでは作業そのものにかかるコストに加えて、作業員が使用する足場の組立・解体に関する費用も必要です。
厚生労働省の定めた労働安全衛生規則では、2メートル以上の場所での作業では足場の設置が必要とされています。
足場なしでの工事は問題になる恐れがあるため、足場の設置は必須と考えておくべきでしょう。
業者が現場に行くまでの交通費や諸々の必要な資材を購入するための諸経費も必要になります。
屋根工事を依頼する際、足場費用無料を宣伝している業者には注意が必要です。
トタン屋根の張り替え作業では、基本的に足場なしで工事するのはできません。
足場無料を謳っている業者は、工事料金に足場費用が上乗せされていたり後から追加料金をとられたりする恐れがあります。
トタン屋根の張り替え工事を依頼する際は、足場費用の無料アピールをしている業者は避けましょう。
トタン屋根の張り替え工事を行う際、費用を安くするには次のような方法を検討してみてください。
・火災保険の適用を検討する
・補助金や助成金の適用を検討する
トタン屋根の張り替えではどのような保険や補助金が利用できるのか解説します。
トタン屋根の張り替え工事では、火災保険が適用できるケースがあり、保険を使えれば費用を抑えられます。
火災保険の適用対象になるのは、台風で強風によってトタン屋根が飛ばされてしまった場合のように、自然災害が原因でトタン屋根の張り替えが必要になった際の原状回復工事です。
経年劣化でトタン屋根の張り替えが必要になった場合や定期的なメンテナンスには、火災保険は利用できないので注意しましょう。
台風のほかに、積雪や落雷、降雹などで屋根が損傷した場合も火災保険の対象になる可能性があります。
火災保険が使えると、自己負担を抑えてトタン屋根の張り替え工事が実施できるため、災害が原因の場合は利用を検討してみると良いでしょう。
トタン屋根の張り替え工事を行う際、国や自治体が実施している補助金・助成金事業の適用を受けられるケースがあります。
補助金・助成金が適用されるには、断熱性能向上など条件を求められる場合があるため、事前に適用対象についてしっかり把握しておくのが大切です。
住んでいる自治体や地域によっても、リフォームに補助金・助成金制度を行っている場合もあります。
自分の住まいがあるエリアで利用可能なものがないか調べたり、施工業者に相談してみたりすると良いでしょう。
トタン屋根の張り替え工事は、一般的に以下の手順で実施されます。
・古いトタン屋根を剥がす
・野地板が傷んでいる場合は張り替えや張り増しなどを行う
・野地板の上に屋根の防水シートであるルーフィング（防水紙）を張る
・新しいトタン屋根を張り替えていく
張り替え工事ではトタン屋根自体を新しくするだけでなく、下地や防水の処理も必要です。
劣化が激しければ下地から交換になる場合もあります。
トタン屋根の張り替え・カバー工法におすすめのガルバリウム鋼板
現在ではより機能性に優れており安価な屋根材が登場しているため、トタン屋根の張り替えで新しいトタンを使うのではなく、別の屋根材にするのもおすすめです。
最近ではトタン屋根に代わって、多くのメリットをもつ屋根材であるガルバリウム鋼板が使われるようになっています。
ガルバリウム鋼板はトタン屋根の3倍といわれるほど耐久性が高い屋根材で、錆びや穴あきなどトタンに多い不具合が起こりにくいのが利点です。
またスレートや瓦などは重いため、カバー工法では施工できない場合があります。
ガルバリウム鋼板ならトタン屋根同様に軽いため、耐震性も落ちにくいのが特徴です。
トタン屋根の劣化が少ない場合には、現在の屋根にガルバリウム鋼板を重ねるカバー工法も利用できて工事費用を抑えられます。
トタン屋根をガルバリウム鋼板に変えたい場合は、張り替えの際に専門業者に相談してみましょう。
トタン屋根の張り替えはDIYより業者に相談がおすすめ
自宅のトタン屋根で張り替えを行う際、費用を浮かせるためDIYで対応しようと思っている人もいるかもしれません。
しかし、トタン屋根の張り替えをDIYで行うのは大変危険です。
屋根の工事は素人が行うのは難しく、最悪の場合は大けがなどの重大事故につながる恐れもあります。
やむをえない応急修理などを除いて、基本的にトタン屋根の張り替えは専門業者に任せるようにしましょう。
トタン屋根の張り替えはDIYで行わず専門業者に依頼しましょう
