ガルバリウム鋼板の特徴や屋根材に利用するメリット・デメリットを紹介
「屋根工事を検討しているけど、ガルバリウム鋼板って何？」
このような疑問をお持ちではないでしょうか。
ガルバリウム鋼板はトタン屋根に代わり、現代で使用される機会が多い金属の屋根材です。
本記事ではガルバリウム鋼板の特徴や、導入するメリット・デメリットを紹介していきます。
最後まで読むことでガルバリウム鋼板の詳細を把握できるため、ぜひ参考にしてみてください。
ガルバリウム鋼板とは、メッキが施されている金属の合板のことです。
メッキの主成分は亜鉛とアルミニウムで、数パーセントほどシリコンが加えられています。
さらにマグネシウムが追加されたガルバリウム鋼板はSGLとも呼ばれています。
ガルバリウム鋼板は機能性の高さから現代では屋根や外壁など、多用途に利用されています。
ガルバリウム鋼板のメリットをご紹介します。
・耐用年数が長い
・錆びにくい
・軽量で地震に強い住宅にできる
・ひび割れしにくい
・カバー工法で施工ができる
順を追って概要を紹介していきます。
ガルバリウム鋼板は、耐用年数が長い特徴を持つ金属の屋根材です。
耐用年数は正しいメンテナンスを施すことで、30〜40年程度を誇ります。
金属材の中でも耐用年数が長い素材のため、トタン屋根に代わる屋根材として近年はガルバリウム鋼板が多く使われています。
ガルバリウム鋼板は、特殊な合金メッキを施しているため錆びにくいのも大きな特徴です。
従来使用されていたトタンは、短期間でメッキが剥がれやすいという弱点を抱えていました。
メッキが剥がれると建材内部が剥き出しになるため、空気中の酸素と結合し短期間でサビてしまいます。
一方でガルバリウム鋼板のメッキはサビに強いため、外観が悪化したり建材が腐食したりするリスクが低いです。
ただしガルバリウムは傷が付きやすいため、傷からサビが広がる恐れがある点に注意しましょう。
ガルバリウム鋼板は軽量なので、お家に負荷がかかりにくく耐震性が高いです。
たとえば高い位置に重量が集中する屋根材は、揺れたときにお家に負担がかかりやすいため、地震に弱いという弱点を抱えています。
瓦屋根など重い屋根材からガルバリウム鋼板へ変更すると、地震による被害の発生リスクを軽減できます。
条件を満たすと耐震リフォーム補助金制度の対象になる可能性がある点も、ガルバリウム鋼板を採用するメリットの1つです。
ガルバリウム鋼板は数ある屋根材の中でも、非常に割れにくい建材です。
瓦やスレートのように割れやすい屋根材と異なり、地震や台風の飛散物などで割れないのも優れたメリットとなります。
ただし物理的衝撃で変形しやすく、凹みなどが発生しやすい点には注意が必要です。
ガルバリウム鋼板は既存の屋根材が適したものであれば、カバー工法で施工ができます。
カバー工法は既存の屋根材のうえに新しい屋根材を張る工法のことです。
そのため既存の屋根材を撤去して工事を行う「葺き替え」より安価に施工できます。
たとえば耐用年数をむかえたスレート屋根なら、ガルバリウム鋼板でカバー工事ができます。
ガルバリウム鋼板を使用する前に理解しておきたいデメリットを2つご紹介します。
・森林や樹木が近くにある住宅は注意する
・変形しやすい
・メンテナンスフリーではない
・沿岸部や工業地域には向いていない
それぞれ、順番に紹介していきましょう。
周囲に森林や樹木がある住宅は、ガルバリウム鋼板を使用するかどうか慎重に判断しましょう。
落ち葉を放置すると、サビを生じさせる木酢液という成分が発生するためです。
結果としてガルバリウム鋼板のメリットである、サビにくく耐用年数が長いメリットが失われてしまいます。
周囲に森林や樹木など、落ち葉が落ちてくると予想される住宅ではガルバリウム鋼板の利用には注意が必要です。
ガルバリウム鋼板を施工しても大丈夫かどうか、業者と相談してみましょう。
ガルバリウム鋼板は割れにくいかわりに、変形しやすいというデメリットを抱えています。
一度変形してしまったガルバリウム鋼板は、残念ながら元には戻せません。
変形すると折れ目や凹みなどから、サビの発生に繋がる恐れがあります。
ボールや小石が飛んでくる可能性があるので、学校周囲やゴルフ場付近の住宅は注意しましょう。
耐久性の高いガルバリウム鋼板ですが、定期的なメンテナンスが必要です。
屋根は外的ダメージを受けやすく、経年劣化が避けられないからです。
セルフメンテナンスでは定期的に水洗いをおこない、汚れを落とす必要があります。
ガルバリウム鋼板を傷つけないよう、高圧洗浄機の使用は控えてください。
洗車する程度の力や水圧でやさしく洗うことが大切です。
業者による点検も忘れずにおこない、必要に応じて塗装するとガルバリウム鋼板が長持ちします。
ガルバリウム鋼板は沿岸地域や、工業地域には向いていないともいわれています。
金属屋根のガルバリウム鋼板は潮風に弱く、塩害の影響を受けやすい屋根材です。
塩分を含んだ潮風は金属の腐食を早めるため、錆びの発生につながります。
工業地域では排気ガスに含まれる二酸化炭素は錆びの原因です。
ただし、沿岸部や工業地域でもガルバリウム鋼板が採用されているケースは多々あります。
業者と相談し、採用後は十分にメンテナンスをおこなうことが大切です。
ガルバリウム鋼板を施工するときの注意点は下記のとおりです。
・保証内容を確認する
・信頼できる業者へ工事を依頼する
それぞれ詳しく解説するため参考にしてください。
保証内容はあらかじめ十分に確認し、不明点は聞いておくことが大切です。
トラブルが生じたときに、どこまで保証してくれるかは内容によって異なるからです。
保証期間が長くても、対象範囲が狭いとトラブル時にフォローしてもらえるか不安になります。
わからない部分がある場合は業者へ確認し、内容を把握する必要があります。
保証は書面にしてもらい、大切に保管してください。
ガルバリウム鋼板の屋根を検討するなら、信頼できる業者へ依頼する必要があります。
金属屋根のガルバリウム鋼板を取り扱える板金工事業者は多くはありません。
実績の少ない業者へ依頼すると、納得した仕上がりにならない可能性があります。
ガルバリウム鋼板の施工実績が豊富かを確認し、信頼できる業者に依頼してください。
ガルバリウム鋼板の施工は信頼できる業者に依頼する必要があります。
・実績が豊富にある
・資格所有者が在籍している
・口コミ評判がよい
それぞれ詳しく解説するため、安心して工事を任せられる業者へ依頼してください。
依頼する業者の実績が豊富かどうか確認する必要があります。
豊富な実績がある業者は、多くの施工をおこなってきた証拠です。
屋根やさん（運営：植田板金店）は年間施工実績3,000棟以上を誇っています。
さまざまな施工に対応できるため、安心して工事を任せられます。
資格所有者が在籍しているかどうかも、業者を選ぶ判断基準になります。
資格を所有している職人は知識と経験が豊富です。
資格所有者がいなくても信頼できる業者は多くありますが、業者選びの参考に覚えておくことがおすすめです。
なお屋根やさん（運営：植田板金店）には、一級建築施工管理技士や一級建築板金技能士など資格所有者が多数在籍しています。
業者を選ぶときは口コミ評判をチェックしてください。
実際に業者へ工事を依頼した人のリアルな意見を把握できるからです。
業者の公式ホームページからではわからない、よいことと悪いことを知ったうえで依頼するかを判断できます。
工事を依頼した人だからわかる意見を参考にして業者を選んでください。
ガルバリウム鋼板の利用をおすすめする人の特徴を紹介していきます。
・長期的なランニングコストを安価にしたい人
・地震に強い住宅にしたい人
・雨漏りで葺き替え工事を検討している人
それぞれ、順番に深掘りしていきましょう。
ガルバリウム鋼板は耐用年数が長くサビにも強いため、長期的なランニングコストを抑えたい方におすすめです。
耐用年数の短い屋根材は、工事のたびに高額な修理代が発生するためです。
結果としてメンテナンス工事を最小限にできる、耐用年数の長いガルバリウム鋼板が安く済むケースもあります。
同じ家に住み続ける予定の方で、長期的な出費をおさえたい方にガルバリウム鋼板はおすすめです。
ガルバリウム鋼板は軽量なので、地震に強い住宅をつくりたい方にもおすすめの建材です。
瓦屋根など重い屋根材を使用していると、地震で揺れたときにお家へ負担がかかってしまいます。
しかしガルバリウム鋼板など軽い屋根材であれば、揺れによるお家への負担を軽減できるのです。
ひび割れも発生しにくいため、外壁材としての利用にもガルバリウム鋼板はおすすめです。
雨漏りが既に発生しており、葺き替え工事を検討している方にもガルバリウム鋼板はおすすめです。
雨漏りの補修方法は色々ありますが、より確実に直す方法の一つとして、既存の屋根材を新しいものに変更する「葺き替え工事」がおすすめです。
特に瓦屋根で雨漏りしている住宅であれば、雨漏り修理と同時に耐震性の高い住宅へリフォームできます。
ガルバリウム鋼板は、スレート屋根をはじめとした多くの屋根材にカバー工法を行える屋根材です。
カバー工事は既存屋根の解体が伴う葺き替え工事より安価に修理できます。
コストをおさえて屋根メンテナンスを施したい方にも、カバー工事の建材としてガルバリウム鋼板の利用はおすすめです。
ガルバリウム鋼板屋根の色は、下記の点を参考に選ぶのがおすすめです。
・全体のバランスを考える
・具体的な色のイメージをもつ
・色褪せを考えるならグレーを選ぶ
ガルバリウム鋼板は色の種類が豊富なので、失敗しないように選ぶことが大切です。
ガルバリウム鋼板の屋根色は、住宅全体のバランスを考えて選ぶ必要があります。
好きな色を詰め込みすぎると統一感がなくなり、失敗する可能性があるからです。
外壁やサッシの色と調和する屋根の色を選ぶと、スタイリッシュかつ洗練された外観に仕上がります。
さらに地域のルールによっては、景観を保つために色が指定されている場合があります。
周辺環境まで考慮して選ぶことが大切です。
ガルバリウム鋼板の屋根色を選ぶときは、希望の色を具体的にイメージしておくとスムーズです。
あいまいなまま選んでしまうと、思っていた色と異なる仕上がりになる可能性があります。
Web上で探したり、実際の住宅を見たりしてどの色にしたいかを明確に決めたりすることが大切です。
打ち合わせのときには理想の色を十分に伝えてください。
メンテナンスの頻度を抑えたいならグレーがおすすめです。
グレーは黒やブラウンと比べて退色が遅い傾向です。
屋根は直射日光を浴び、雨風の当たりやすい部分のため劣化が避けられません。
赤が混じったレッド系は色褪せしやすく、ホワイト系は汚れが目立ちやすくなります。
グレーはもともと褪せたような色のため劣化が目立ちにくく、メンテナンスの頻度が少なくすむ点がメリットです。
ガルバリウム鋼板には、横葺きと縦葺きの2種類が存在します。
なかでも屋根リフォームでは横葺きを行うことが多い印象で、複雑な形状の屋根でも施工が可能です。
施工にかかる日数が少なく済むため、縦葺きは新築の屋根に利用されているケースが多い印象があります。
どの方法でガルバリウム鋼板を屋根に施工するか、業者と相談して決めましょう。
下記に横葺きと縦葺きの特徴を紹介するので、選び方の参考にしてください。
縦葺きは軒先に向かって縦に屋根材を敷いていきます。
まっすぐな形状のため雨水が流れやすく、デザインのシンプルさが特徴です。
横葺きより比較的安く、工期が短いメリットもあります。
ただし、屋根が複雑な形状をしている場合はおすすめできません。
板金の長さが一定にならず、縦葺き自体が採用できない可能性があります。
シンプルな形状の屋根には問題なく使用できます。
横葺きは地面に対して屋根材を平行に敷いていきます。
デザインが豊富のため、複雑な形状をした屋根でも施工できるところが特徴的です。
デザイン性に優れているためおしゃれな印象に仕上がります。
縦葺きと比べて雨水が流れにくい点はデメリットです。
ガルバリウム鋼板が主流になる以前は、一般住宅向けはトタン屋根を用いるケースが多い印象でした。
トタンは材料費が安いというメリットを持つ反面、サビやすく耐用年数が短いというデメリットを抱えています。
一方でガルバリウムのメッキ主成分は「亜鉛・アルミニウム・シリコン・マグネシウム」で、耐用年数が長いという特徴を持ちます。
トタン屋根のメリットを兼ね備えながら耐久度が高いため、現在ではトタン屋根に代わる建材としてガルバリウム鋼板が利用されています。
またガルバリウム鋼板は屋根だけではなく、外壁など多様に使用される建材です。
ガルバリウム鋼板のメンテナンス方法を紹介します。
・水洗いする
・定期的に塗装する
ガルバリウム鋼板を少しでも長持ちさせるためには、正しいメンテナンスを行うことが大切です。
自分でできるメンテナンス方法のひとつに水洗いがあります。
ガルバリウム鋼板は汚れ、沿岸部なら塩分が付着すると錆びにつながります。
表面に水をかけて、定期的に汚れを流してください。
ほこりのほか、鳥のフンなどがついたままの状態を放置することも、錆びの原因です。
気づいたらすぐに洗い流す必要があります。
ただし、屋根の水洗いは高所作業です。
登ると危険をともなうため、手の届かないところは無理をせず業者へ連絡してください。
水洗いで落とせない錆びや、色褪せなどの劣化がある場合は塗装がおすすめです。
塗装によって美観を維持でき、錆びを抑えられます。
使用する塗料には防錆性や防水性に優れた性質をもつものがあります。
屋根の機能性が向上し、住宅全体の寿命を延ばすことにもつながるため、気になる劣化があるなら業者へ連絡してください。
屋根材自体の耐用年数が近づいているなら、カバー工法でメンテナンスをおこないましょう。
メリットのところで紹介したように、カバー工法は既存の屋根材のうえに新しい屋根材を張る工法です。
ガルバリウム鋼板は軽量のため、屋根材としてカバー工法に多く使われています。
比較的安く手軽におこなえる点もメリットです。
さらに、屋根の厚みが増すため多少の断熱効果も期待できます。
深刻な雨漏りや広範囲に錆びがある場合は葺き替えがおすすめです。
カバー工法では下地まで新しくするわけではなく、根本的な雨漏り改善はできません。
既存の屋根材を撤去する葺き替え工事は、屋根が新築のときと同じ状態になります。
解体や撤去に費用がかかり工期が長くなるデメリットはありますが、外観を一新でき家の寿命を延ばせます。
耐用年数のほか、屋根の劣化状況から葺き替え工事をするか業者と相談して決めることが大切です。
ガルバリウム鋼板のメリット・デメリットを押さえてリフォームを検討しよう
ガルバリウム鋼板は耐用年数が長く軽量のため、現代では屋根材として使用されることが多い印象がある、高い人気を誇る屋根材です。
ガルバリウム鋼板のメリット・デメリットを押さえたうえで、後悔しないリフォームを実施しましょう。
屋根工事に関する不明点や、ガルバリウム鋼板への変更に関するご相談は、ぜひお気軽に
ご相談ください。
