スレート屋根の葺き替え費用はどこで差が出る？安く抑えるコツも解説
「スレート屋根の葺き替えは、どんなところで費用の差が出るのだろう」
「スレート屋根の葺き替えをするタイミングっていつなのだろう」
スレート屋根は劣化により割れたりめくれたりする場合があります。
こうした場合は既存の屋根を撤去し、新しい屋根に張り替える葺き替えをするのがおすすめです。
本記事では屋根の葺き替えをする際にかかる費用について、以下の点を中心に解説します。
・スレート屋根の葺き替え費用の変動要素
・スレート屋根を葺き替えるタイミング
・スレート屋根の葺き替え費用を抑える方法
スレート屋根の葺き替えをする際の注意点も解説していますので、ぜひ最後までご一読ください。
スレート屋根とは、薄く加工した粘土板岩で作られた屋根材のことで、カラーベストやスレート瓦などとも呼ばれます。
スレート屋根は主に化粧スレートと天然スレートの2種類に分かれます。
化粧スレートは、繊維状の素材をセメントに混ぜ合わせ板状に加工したものです。
比較的安価なため住宅の屋根材として普及しています。
天然スレートは天然の粘板岩を薄い板状にしたもので、天然石を使用するため費用が高額になります。
スレート屋根は厚さが薄く軽量である一方、他の屋根材と比べて防水性や耐久性が劣るのがデメリットです。
スレート屋根が劣化した際は既存の屋根材を撤去し、新しい屋根材を張り付ける葺き替え工事を行うことで、屋根の耐久性をアップできます。
スレート屋根の葺き替え費用が変動する要素は以下のとおりです。
・使用する屋根材の種類
・既存の屋根の形状や勾配
・アスベストの有無
スレート屋根の葺き替え工事の費用がどこで差が出るのかわかるので、リフォームを検討している方は参考にしてみてください。
スレート屋根の葺き替え工事をする際に、どの屋根材を使用するかで費用は異なります。
スレート屋根を葺き替える際に候補となる屋根材は以下のとおりです。
・スレート屋根
・ガルバリウム鋼板
・アスファルトシングル
・瓦屋根
アルミニウムと亜鉛が主原料である金属板のガルバリウム鋼板は、耐久性が高いため長く使い続けられます。
軽量なため耐震性も高められますが、費用はやや高額になります。
スレート屋根は比較的安価なため費用を抑えられますが、経年劣化によりひび割れが起きやすく、表面が反りやすいのがデメリットです。
アスファルトシングルはおしゃれなデザインのものが多く、コストも抑えられます。
その一方で、強風で屋根材がはがれたり破れたりする場合もあるので注意が必要です。
瓦屋根は耐久性が高められ重厚感が出るものの、費用は高額になります。
また瓦屋根は重量が重くなるのがデメリットですが、軽量瓦を選べば屋根の重さを軽減でき、耐震性の低下を防げます。
既存の屋根が複雑な形状だったり勾配がきつかったりする場合は、施工する際に手間がかかるため費用が割高になります。
そのため施工を依頼する前に、施工費がいくらかかるか見積もりを作成してもらうのがおすすめです。
予想よりも施工費が高額になる場合は、屋根材のグレードを落とすなどして費用を抑えられないかどうか検討してみてください。
既存の屋根材にアスベストが含まれているかどうかによっても、施工費用は大きく変わります。
有害物質であるアスベストの使用は2004年に禁止されました。
しかし、それ以前の住宅のスレートには、アスベストが含まれたスレートが使われている可能性があります。
アスベスト入りの建築資材を撤去するためには、石綿作業主任という資格保有者による現場管理が必要です。
また廃材処理費も高額なため、アスベストが含まれていない屋根材と比べ、コストがかかってしまいます。
そのためアスベストが含まれている屋根をリフォームする場合は、カバー工法がおすすめです。
新しい屋根材を上から取り付けるカバー工法であれば、屋根を撤去せずに済み、施工費用を抑えられるため検討してみてください。
スレート屋根の葺き替え工事における主な費用項目は以下の通りです。
・屋根材の購入費
・既存の屋根の処分費
・施工費用
・下地の購入費
・防水シートの購入費
屋根材の購入費は、選ぶ屋根材によって費用に大きな差が出ます。
葺き替え工事をするときに屋根材を選ぶ際は、耐久性などそれぞれの特徴を比較し、予算も考慮しながら選んでみてください。
また屋根を葺き替える場合は下地から作り直すため、他の修繕方法と比べて費用が高額になります。
なお葺き替えの場合は下地や防水シートも新しいものに替えるため、購入費用がかかります。
ただ一から作り直すため耐久性を高められ、安心して長く同じ建物に住み続けられるのがメリットです。
スレート屋根の葺き替えをするタイミングは、以下のとおりです。
・雨漏りが起きている
・ひび割れが起きている
・スレートが反っていたり欠けていたりする
・棟板金が浮いていたりサビていたりする
・コケやカビが広範囲に広がっている
・屋根の表面が色あせている
・耐用年数が経過している
スレート屋根に雨漏りやひび割れが起きている場合は、雨水が内部に入り込みやすくなってしまいます。
雨水が染み込むと建物の構造部分が腐食し、耐震性を弱める原因になるため修繕が必要です。
またコケやカビが繁殖すると屋根の劣化を進めてしまい、建物の景観も損なわれるため、葺き替えをしてきれいな状態に直しておきましょう。
さらに屋根の頂点を保護している棟板金の劣化も、雨漏りの原因になります。
なおスレート屋根の修理をすべきか迷ったときは、リフォーム業者に点検を依頼し、屋根の状態を確認してもらうのがおすすめです。
それ以外にも屋根の耐用年数が経過すると、劣化が進行してしまいます。
そのため屋根の耐用年数を過ぎているかどうかをメンテナンス時期の参考にしてみてください。
スレート屋根の耐用年数は、10～35年と言われています。
この期間を過ぎたら専門業者に点検を依頼し、修繕が必要かどうか確認するのがおすすめです。
葺き替え以外のスレート屋根の修理方法と費用感を解説
ここからは葺き替え以外のスレート屋根の修理方法についてお伝えします。
葺き替え以外のスレート屋根の主な修理方法は以下の通りです。
・塗装
・カバー工法
・部分補修
それぞれの修理方法の特徴や費用感について解説しますので、葺き替え以外の修理方法に興味がある方は参考にしてみてください。
屋根の表面に苔やカビが発生している場合は、表面を塗装して耐久性を高めるのがおすすめです。
屋根の表面が色あせていたりはがれていたりする場合も屋根の耐久性が落ちているサインなので、塗装し直すことをおすすめします。
屋根の塗装の場合、屋根に塗料を塗布するだけなので施工費を抑えられます。
ただ屋根の劣化が進んでいる場合は、塗装だけでは修繕しきれない場合があるので注意が必要です。
なお屋根の塗装をする場合は、屋根材が重なっている部分の塗膜を取り除く縁切りを忘れずに行いましょう。
屋根本体が劣化していても、屋根の下地部分が劣化していない場合は、新しい屋根を上から被せるカバー工法で修繕できます。
既存の屋根をそのまま使うカバー工法の場合、撤去費用や処分費用がかからないため費用を抑えられます。
ただ屋根を重ねる分だけ重量が重くなってしまうため、軽量な屋根材を選んで耐震性を維持するのがおすすめです。
屋根の劣化や損傷が一部だけの場合は、部分補修で修繕できます。
部分補修にはコーキング材や補修材でひび割れや欠けている部分を補修したり、屋根の頂上部分にはめる棟（むね）板金の補修を行ったりする方法があります。
屋根を部分的に修繕する場合は、屋根の一部を差し替えたり交換したりするのも手です。
ただ部分補修の場合、時間が経過すると再度修繕が必要になります。
その都度費用がかかるため、最初から全体的に補修した方がトータルの費用を抑えられます。
スレート屋根の葺き替えをするかカバー工法をするか迷ったときのチェックポイント
ここではスレート屋根の葺き替えが適したケースと、カバー工法が適したケースを紹介します。
スレート屋根を葺き替えるべきか、カバー工法で直した方がいいか迷われている方は、ぜひチェックしてください。
スレート屋根の葺き替えに適したケースは以下の通りです。
・屋根の下地の劣化が進んでいる
・雨漏りが起きている
・木造で3階建ての建物である
・屋根の耐用年数を過ぎている
・長く住み続ける予定である
屋根の下地の劣化が進んでいたりすでに雨漏りが起きたりしている場合は、葺き替えが必要です。
屋根の葺き替えをして下地部分から作り直すことで、耐久性を向上できます。
また木造で3階建ての場合、カバー工法だと建築確認申請が必要なため、葺き替えの方がおすすめです。
葺き替えに切り替えれば、申請にかかる時間と基準を満たすために修繕をする場合はコストを削減できます。
さらにスレート屋根の耐用年数を過ぎている場合は、耐久性が低下しているため、新しい屋根に張り替えた方が安心です。
なお今後も同じ建物に長く住み続ける場合も、葺き直しをして屋根の耐久性を高めておくことをおすすめします。
スレート屋根のカバー工法が適したケースは以下の通りです。
・屋根の下地は劣化しておらずそのまま使える
・屋根の耐用年数に達していない
・できるだけ修繕費を抑えたいと考えている
・将来的に引越しや建物の取り壊しを検討している
屋根の下地が劣化していない場合や、屋根の耐用年数を超えていない場合は、既存の屋根をそのまま再利用できます。
またカバー工法は屋根を葺き替えるよりもコストを抑えられるので、あまり費用をかけたくない方におすすめです。
さらに今住んでいる家に長く住む予定がない場合は、カバー工法でひとまず修繕しておくのが無難です。
スレート屋根を葺き替える際にかかるコストを抑える方法は、以下のとおりです。
・補助金を利用する
・火災保険が適用されるか調べる
・トータルでかかるコストを抑える
できるだけ屋根の修繕費用を抑えたい方は、ぜひチェックしてみてください。
スレート屋根を葺き替える際は、補助金を利用するのがおすすめです。
自治体によっては屋根の修理にかかる費用を補助してもらえる場合があるので、活用してみてください。
なお住んでいる地区によって、対象となる制度や補助を受けられる金額が異なるので、市区町村やリフォーム会社に問い合わせてみましょう。
スレート屋根を葺き替える場合は、火災保険を利用できるかどうか調べておきましょう。
台風などの自然災害が原因で屋根の修理が必要な場合は、火災保険が適用できる場合があります。
火災保険が適用されれば保険金で修繕費用をまかなえ、コストを抑えられます。
屋根の修理を依頼する前に、保険の適用範囲かどうか保険会社に問い合わせておきましょう。
スレート屋根の葺き替え費用を抑えたい場合は、トータルでかかるコストを削減できないか確認してみましょう。
たとえば耐久性の高い屋根材を選べばメンテナンスの回数を減らせるため、トータルで考えるとコストを抑えられます。
屋根材を選ぶ際は購入価格だけでなく、最終的にかかるコストも考えたうえでどの素材にするか選ぶのがおすすめです。
スレート屋根の葺き替えをする際の手順は以下の通りです。
・アスベストが含まれていないか確認する
・既存の屋根を取り外す
・屋根の下地を修繕する
・防水シートを貼り付ける
・新しい屋根材を取り付ける
それぞれの工程と全体の流れについて詳しく解説します。
屋根の修繕工事をする場合、アスベストの有無を自治体に報告しなければならないため、工事を始める前に必ず事前調査を済ませておいてください。
既存屋根がアスベストを含んでいる場合は、周囲にまき散らさないようカバーで囲って安全に工事を進める必要があります。
アスベストの調査が済んだら、いよいよ工事に取りかかります。
まずは釘などの部材や破片が飛び散らないよう注意しながら、既存の屋根を取り外していきます。
屋根の取り外すことで下地の状態をきちんと確認できるのがポイントです。
屋根の下地である野地板が劣化している場合は、上から板を追加して補強する必要があります。
屋根の基礎部分をきちんと手直しを行い、屋根全体の強度を高めておくと安心です。
屋根を支える重要な部分のため、施工業者にしっかり修繕してもらってください。
屋根の下地部分を補強したら、雨水が入り込むのを防ぐ防水シートを貼り付けます。
防水シートがきちんと貼り付けられていないと雨漏りにつながるため、すき間ができないよう注意してください。
また施工中に防水シートに穴があいていないか、チェックが必要です。
屋根の基礎部分が完成したら、新しい屋根材を取り付けます。
建物の外観を左右する重要な作業なので、ずれがないよう正確に設置します。
そして屋根材を取り付け、点検して異常がなければ作業終了です。
スレート屋根をリフォームする際に気を付けるべき点は、以下のとおりです。
・悪質業者の営業に注意する
・見積書に記載されている内容を確認する
・既存のスレート屋根のアスベストの有無を調べておく
屋根の修理を依頼する際は、これから解説するポイントを抑えておいてください。
スレート屋根を葺き替える際は、信頼できる業者に施工を依頼しましょう。
特に突然自宅を訪問してきて「屋根が劣化しているので今すぐ修理が必要」と営業してくる業者には注意が必要です。
実際には修理の必要がないケースや、高額な修繕費を請求される場合があるので、その場で契約するのは避けましょう。
一度断って改めて別の施工業者へ点検を依頼し、本当に修理が必要かどうか確認してみてください。
スレート屋根の葺き替え工事を依頼する際は、見積書に記載されている内容を事前に確認しておきましょう。
作業に入る前に、費用の内訳についてきちんと記載されているかチェックしてみてください。
材料の名称や金額が明記されているか確認し、金額が正しく書かれていない場合は施工業者に確認を取っておくのがおすすめです。
アスベストは人体に害を及ぼすため、あらかじめ既存のスレート屋根に含まれていないかきちんと確認しておく必要があります。
アスベストの有無は自治体の届け出も必要なため、施工業者が適切な手続きを行っているか把握しておくと安心です。
既存のスレート屋根にアスベストが含まれている場合は、施工の際に細心の注意を払い、近隣住民に迷惑がかからないよう気を付けてください。
スレート屋根の葺き替えにかかる費用に差が出るポイントを抑えておこう
スレート屋根の葺き替えにかかる費用は、屋根材の種類や屋根の形状、アスベストの有無によって大きく異なります。
また修繕費用を抑えたい場合は、補助金や火災保険が利用できないか確認し、トータルでかかるコストも計算したうえで依頼するのがおすすめです。
まずは自宅の屋根の葺き替え費用がいくらかかるのか施工業者に点検を依頼し、見積もりを作成してもらいましょう。
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