トタン屋根の修理費用は？変動要素とコストを抑えるコツを解説
「トタン屋根の修理費用はどこで差が出るのだろう？」
「トタン屋根の修理費用を抑えるにはどうしたらいいだろう？」
木の柱の上にトタン（亜鉛メッキ鋼板）を被せたトタン屋根は安価かつ軽量である一方、サビやすく耐用年数が短いのが特徴です。
本記事ではトタン屋根の修理費用について、以下の点を中心に解説します。
・トタン屋根の修理方法
・トタン屋根の修理費用の変動要素
・トタン屋根の修理費用を抑える方法
トタン屋根の劣化を放置することで起こる恐れがあるリスクについても解説していますので、ぜひ最後までご一読ください。
トタン屋根の修理方法は下記の通りです。
・部分補修
・屋根塗装
・カバー工法
・葺き替え
それぞれの修理方法について詳しく解説します。
トタン屋根の一部がサビていたり穴があいていたりする場合は、部分補修を行います。
部分補修の主な方法は以下の通りです。
・サビを除去して塗装する
・シーリングで補修する
・屋根の一部を張り替える
トタン屋根の一部がサビている場合はサビを取り除き、サビ止め剤を塗ってから塗料を塗ります。
穴があいている場合はシーリング剤を塗って穴を塞がなければなりません。
屋根の一部がサビていたり穴があいたりしている場合は、劣化している部分を新しいトタンに張り替えます。
棟板金（むねばんきん）とは、屋根の頂点に位置する三角形の部分にある板金のことです。
棟板金が破損したりはがれたりしている場合は、棟板金の交換が必要になります。
棟板金はトタン屋根と素材が異なるため、耐用年数も異なります。
棟板金の耐用年数は15〜25年です。
ただし耐用年数の前に釘が抜けて棟板金が浮いてくるなど、耐用年数の前に不具合が出る可能性があります。
耐用年数前でも定期的にメンテナンスを行うことで、棟板金を長持ちさせられます。
トタン屋根の表面が色あせていたり、軽度のサビが発生していたりする場合は塗装します。
定期的に屋根を塗装しておくことで撥水効果を高められ、サビの発生を抑えられます。
ただ屋根に穴があいていたり雨漏りしたりしている場合は、塗装だけでは補修しきれません。
劣化が進んでいる場合は、既存の屋根の上に新しい屋根を被せるカバー工法、あるいは既存の屋根を撤去して張り替える「葺き替え」が必要です。
トタン屋根の全体に穴があいていたりサビが広がったりしている場合は、上から新しい屋根材を取り付けるカバー工法で補修します。
新しい屋根材を取り付けることで耐久性を高められ、見た目を刷新できるのがメリットです。
既存の屋根をそのまま使うため、屋根を撤去してから張り替える葺き替えよりもコストを抑えられます。
しかし屋根内部の劣化が進んでいる場合は、撤去してから作り替える必要があるため、カバー工法は不向きです。
トタン屋根の穴が大きく広がっていたり屋根の下地部分まで劣化が進んだりしている場合は、新しい屋根に葺き替えます。
屋根を張り替えるため耐久性が高まる一方、既存の屋根の撤去費用がかかり、工期も長くなるため修理費用がかさみます。
しかし築年数が経つと屋根の下に設置してある防水シートも劣化するため、すべて撤去して葺き替え工事を行うと雨漏りを防げて安心です。
トタン屋根の修理費用の主な変動要素は以下の通りです。
・修理方法の違い
・屋根の劣化状況
・足場の有無
・使用する塗料や屋根材の違い
屋根の状態や築年数により修理方法は異なり、どの方法で直すかによって費用に差が出ます。
部分修理や塗装のみであれば費用を抑えられますが、新しい屋根材を取り付けるカバー工法や屋根を葺き替えする費用が高額になります。
高所や傾斜が急なところは別途足場代が必要になり、使用する塗料や屋根材によっても金額が変動することを念頭に置いておきましょう。
トタン屋根の修理費用を抑える方法は以下の通りです。
・火災保険を使う
・補助金や助成金を活用する
・定期的にメンテナンスしておく
それぞれの修理費用を抑えるコツについてわかりやすく解説します。
自然災害が原因で屋根が破損したり雨漏りしたりした場合は、火災保険が使えないか確認してみましょう。
台風により屋根が飛ばされたり、積雪や落雷あるいは地震などにより屋根が割れたりしたケースは、火災保険の補償対象になる場合があります。
カバー工法や葺き替えは保険が適用される可能性がありますが、塗装のみの場合は対象外となるケースがほとんどです。
火災保険を使って屋根を補修する際は、事前に保険会社に補償の対象になるか確認してみましょう。
トタン屋根を修理する際は、自治体の補助金または助成金を利用できないか調べておきましょう。
自治体によっては屋根をリフォームする際に、補助金や助成金を支給しているケースがあります。
補助金や助成金が支給されれば修理にかかる費用の負担を軽減できるので、あらかじめリフォーム業者や自治体に確認してみてください。
トタン屋根の修理費用を抑えたい場合は、定期的にメンテナンスしておくのがおすすめです。
トタン屋根はサビやすく耐用年数が短いですが、こまめにメンテナンスしておけば重症化を防げ、修理する際の費用を抑えられます。
サビや穴があいた状態を放置すると、雨漏りにより木材が劣化して建物の耐震性が低下したり屋根が破損してケガをしたりする危険性があります。
定期的にサビを除去したり塗装をしたりして、少しずつ補修しておきましょう。
参考：外壁リフォーム工事を同時に行い、足場代を節約する
屋根の修理と同時にリフォーム工事を行うことで足場代を節約することも可能です。
トタン屋根の修理は作業員の安全確保や作業効率化、品質向上などを目的として、足場を組んでから工事を行います。
足場の設置にも費用がかかるため、外壁のリフォーム工事と同じタイミングで施工するほうが足場の設置費用を節約できます。
屋根工事でも外壁工事でも、足場の設置費用は大きく変わりません。
一度に必要となる工事費用が多くなりますが、屋根と外壁を別々で工事するよりも費用を抑えられます。
同時に施工することで、長い目で見ると工期も短縮できます。
金銭的な負担は軽くありませんが、一度に費用を負担できるのであれば、トタン屋根と同時に外壁工事も検討するのがおすすめです。
ただし1回あたりの出費は多くなるので、当分外壁リフォームの必要がなければ、屋根修理を単体で行ったほうが良いでしょう。
トタン屋根を修理せず放置することで起こりうるリスク
「トタン屋根の修理にお金をかけたくない」と劣化した状態を放置してしまうと、どのようなリスクがあるのか見てみましょう。
トタン屋根の修理をせず放置することで起こりうるリスクは以下の通りです。
・サビや穴が屋根全体に広がってしまう
・耐久性が低くなる、雨漏りが起きる
・建物の性能が低下する
それぞれのリスクについて解説します。
塗膜が劣化して防水性能がなくなると、塗膜の下の亜鉛メッキが腐食してサビはじめ、やがて鋼板もサビてしまいます。
トタン屋根の鋼板は薄く穴があきやすいので、腐食する前に塗装してカバーしておくのがおすすめです。
穴があちこちにあいたりサビが広まったりすると大掛かりな補修が必要になるので、定期的なメンテナンスをしておきましょう。
トタン屋根のメンテナンスを怠ると、屋根がサビたり穴があいたりして雨漏りが起きやすくなります。
雨漏りが発生すると防水材や下地まで劣化してしまい、大がかりな修理が必要になります。
このように雨漏りは建物を劣化させる危険性があるため、なるべく早く対処しておきましょう。
雨漏りにより建物の構造部分である柱や梁が濡れてしまうと、耐震性の低下にもつながります。
耐震性が低下してしまうと、地震による大きな揺れや台風による強風を受けたときに、建物が破損したり倒壊したりする恐れがあります。
建物の耐震性を維持して災害による被害を抑えるために、ある程度築年数が経過したらメンテナンスしておくと安心です。
トタン屋根を自分（DIY）で修理しないほうが良い理由
トタン屋根を自分で修理すること（DIY）はおすすめできません。
高所での作業となるため、大けがをするリスクがあるからです。
万が一、屋根から転落してしまうと死亡事故になる可能性もあります。
屋根の上から資材や道具などを落とす可能性もあり、落とした資材や道具が下にいる人に当たってしまうことも考えられます。
素人がトタン屋根を修理すると、適切な対応ができていないこともあるので、注意が必要です。
下手をすると、修理前よりも状態が悪化してしまいかねません。
適切に修理できていないと、あとから修理しないと行けない場所が増えて、高額な修理費用が必要となるおそれがあります。
トタン屋根に不具合があった場合は、自分で修理するよりも、最初から専門の業者に依頼するのがおすすめです。
どうしても自分で修理する必要があっても、応急処置にとどめておきましょう。
トタン屋根の耐用年数は6〜20年ほどです。
定期的にメンテナンスを行うことで長く使えます。
耐用年数を超えるとトタン屋根は劣化しやすくなるので、注意が必要です。
1度サビが発生すると屋根全体に広がってしまい、すぐに穴が開くケースが少なくありません。
劣化症状がある場合は、速やかにトタン屋根の修理を行いましょう。
トタン屋根の修理を考えるべき劣化症状は以下のとおりです。
・色あせ
・サビ
・穴開き
それぞれ詳しく紹介します。
色あせは、トタン屋根が劣化する際の初期症状です。
日頃の紫外線や風雨の影響により、徐々に塗料の色が薄くなっていきます。
色あせがあるからと言って、すぐに穴があいたり雨漏りが発生したりするわけではありません。
しかし塗料の機能が低下し、外観もよくないので、気になる場合は塗装するのがおすすめです。
トタン屋根にサビがある場合は、早急に修理を行う必要があります。
一部分でもサビが発生すると、すぐにトタン屋根全体にサビが広がってしまうからです。
トタン屋根全体にサビが広がると大掛かりな修繕工事を行う必要があり、費用も高額になってしまいます。
トタン屋根にサビを見つけた場合は、早めに専門業者へ相談しましょう。
トタン屋根に穴があいてしまった場合は、屋根の全面リフォームを検討しましょう。
トタン屋根に穴があいていると、ほぼ間違いなく雨漏りが発生してしまいます。
1度穴があいてしまうと、塗装しても意味がありません。
カバー工法や屋根の葺き替え工事など、屋根の全面リフォームをご検討ください。
トタン屋根の修理を依頼できる業者は、以下のとおりです。
・建築板金業者
・塗装業者
・工務店
・リフォーム業者
それぞれどのような業者か紹介するので、業者選びの参考にしてください。
建築板金業者は、トタンをはじめとする建築板金工事の専門業者です。
建築板金工事の専門なので、豊富な知識と確かな技術を有しています。
屋根の状態にあわせた最適な方法で修理するなど、品質の高い施工が期待できます。
建築板金業者は、地域に密着した業者が多いことも特徴です。
地域に密着した業者は、何かあったときに相談しやすく迅速な対応も期待できます。
塗装業者は、ペンキなどの塗料を使用した工事を専門とする業者です。
色あせへの再塗装など、塗装で修理する場合は、高品質な仕上がりが期待できます。
またトタン屋根の修理に対応している業者も多く、塗装だけでなく部分補修に対応してもらえる場合もあります。
部分補修も希望する場合は事前に対応が可能か、確認しておきましょう。
工務店は新規工事や修理、リフォーム・リノベーション工事など、幅広い工事を請け負う業者です。
全国展開しているところから家族経営を行う小規模なところまで、さまざまな業者があります。
全国展開している大規模な工務店は経営基盤が安定しており、安心感が強いことが特徴です。
地域密着の工務店であれば、何かあったときに相談しやすく柔軟に対応してもらいやすいのがメリットです。
どちらもトタン屋根の修理には対応してもらえるので、好みにあわせて選びましょう。
リフォーム業者は、住宅の修理や増改築などリフォーム工事全般を請け負う業者を指します。
もともと工務店をやっていた業者が、専門分野の知識・経験を活かしてリフォーム専門の会社を立ち上げるケースが多いです。
業者ごとに得意なジャンルが異なり、業者によってはすべてのリフォーム工事に精通しているわけではありません。
リフォーム業者を依頼する場合は、事前に施工実績などを確認するのがおすすめです。
依頼する工事と類似の施工事例がある業者であれば、問題なく対応してもらえるでしょう。
トタン屋根の修理業者を選ぶ際には、以下のポイントを確認するのがおすすめです。
・施工実績が豊富か
・有資格者が在籍しているか
・アフターサービスが充実しているか
それぞれ解説するので、ぜひご覧ください。
トタン屋根の修理業者を選ぶ際には、業者のホームページなどで施工実績の数や、どのような工事を行ってきたかを確認しましょう。
実績が豊富であれば、その分トラブルがあったときにも柔軟な対応をしてもらえる可能性が高くなります。
実績をチェックする際には、自分と同じようなトタン屋根の修理を行っていたかも確認するのがおすすめです。
類似の施工事例があると、費用や工期の目安にすることもできます。
施工事例は依頼主の許可がなければ開示できないため、施工実績を多く公開している業者は優良業者の可能性が高いです。
ホームページがない業者や、ホームページに施工実績を公開していない業者は、判断が難しいので避けるのが無難です。
建築板金技能士や建築士など、資格を持っている業者に依頼するのがおすすめです。
建築板金とは、トタンをはじめとする金属板を加工し、屋根や外壁、雨樋などへの取り付けまで一貫して行うことを指します。
建築板金技能士は、建築板金において優れた技能がある人のため、品質の高い施工が期待できます。
建築士の資格を持っている業者は、建物全体の状態を踏まえて適切な修理方法を提案してくれる可能性が高いです。
建物全体を踏まえた上で修理方法を提案してもらえると、建物をさらに長持ちさせる効果も期待できます。
資格を持っていないと、トタン屋根の修理ができないわけではありません。
しかし有資格者が在籍している業者であれば、より安心して工事を依頼できます。
トタン屋根の修理は、アフターサービスが充実している業者に依頼することをおすすめします。
アフターサービスが充実している業者は、技術力が高い傾向があるからです。
施工後のアフターサービスは、追加で費用を請求されることが少なく、業者にとってあまり利益になりません。
利益になりにくいにもかかわらず、アフターサービスが充実している業者は、技術力に自信があると言えます。
特に保証期間が長い業者は信頼できる傾向があります。
トタン屋根の修理を依頼する際には、どのようなアフターサービスがあるのか、確認しておくのがおすすめです。
依頼する前にトタン屋根の修理費用（値段）を把握しておこう
トタン屋根の修理費用は、修理方法や屋根の状態、使用する屋根材や塗装材によって変動します。
できるだけ費用を抑えたい方は火災保険や補助金、助成金が活用できるかどうか調べてみてください。
トタン屋根の修理をする際は、事前に修理費用がいくらかかるのか把握しておきましょう。
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