屋根リフォームの種類は?工事が必要な理由と業者の選び方を解説
屋根の劣化や傷みに気づきリフォームを考えたときには、どのような方法でメンテナンスしたらよいのか悩む人が多いのではないでしょうか。
屋根工事にはカバー工法や葺き替え工法など、いくつか種類があります。
屋根の状態やこれからの住み方に合わせて、適切なリフォームをおこなうと住宅の寿命が延びるためおすすめです。
本記事では屋根工事の種類とリフォームが必要な理由を解説します。
工事時期の目安となる屋根材の耐用年数や、業者選びについても紹介するため参考にしてください。
屋根工事には主に4つの種類があります。
・カバー工法
・葺き替え工法
・屋根塗装
・部分補修
それぞれ特徴があるため、屋根工事を検討したときの参考にしてください。
カバー工法とは、今ある屋根の上から新しい屋根材を重ねることです。
下地までは劣化していない屋根に向いています。
解体作業や廃材の処理が不要のため、費用を安く抑えられるほか短い工期ですむ点がメリットです。
ただし、屋根材を重ねることで多少の重みが出て耐震性に影響を及ぼすかもしれません。
屋根材は軽いものを重ねる必要があるため、選択肢が限られる可能性があります。
多くの場合、瓦屋根では施工できません。
葺き替え工法とは、既存の屋根を取り払って新しくすることです。
屋根材を一新できるため、軽量の屋根や耐震性の高い屋根など幅広く選べます。
さらに、屋根の下にある防水シートを交換することで耐久性まで上がります。
葺き替え工法は既存の屋根を解体し撤去する必要があるため、費用と工期がかかる点がデメリットです。
騒音による近所トラブルを防ぐためにも、周囲へ配慮する必要があります。
屋根塗装とは屋根の表面を塗り替えることです。
屋根材を新しくするわけではないため費用が安くすみます。
塗装すると古びた屋根がよみがえって美しくなり、清潔感のある印象を与えます。
定期的な塗装は屋根材がコーティングされ防水性が高まるため劣化防止にも効果的です。
ただし、今ある破損や雨漏りなどの劣化を解消できるわけではありません。
屋根の部分補修は主に4つあります。
・漆喰補修工事
・瓦屋根補修工事
・板金の交換
・雨樋の交換
屋根は部分的に傷むのではなく全体的に劣化します。
部分補修は費用が安くなる反面、何度も工事をおこなうことになりかねません。
結果的に多額の工事費用になる可能性があります。
部分的な破損や劣化が明らかでないなら全面補修がおすすめです。
耐用年数は屋根材の種類により異なります。
・スレート屋根
・日本瓦
・ガルバリウム
耐用年数により屋根工事の時期が変わるため、詳しく解説します。
スレート屋根の耐用年数は約20〜30年です。
スレート屋根とはセメントや化学繊維を固めた屋根材のことです。
比較的価格が安く、デザイン性が豊富なことから人気を誇っています。
主流の屋根材として日本国内でも広く普及しています。
耐久性は高くないため、定期的な塗装工事で防水効果の維持が必要です。
日本瓦の耐用年数は約50年以上です。
日本瓦は粘土で形成してかまどで焼き上げています。
塗装の必要がなく耐用年数が長いところがメリットです。
メンテナンスは瓦をはずして防水シートを交換する方法が一般的です。
ガルバリウム鋼板の耐用年数は約25〜30年です。
金属屋根のなかでも主流の屋根材として多く使用されています。
ガルバリウム鋼板はアルミや亜鉛などから構成された鋼板です。
耐用年数が長く外壁材として人気があります。
軽いため耐震性が高く、錆びにくいところがメリットです。
屋根工事が必要な理由を解説します。
・屋根の寿命を延ばす
・美観を保つ
・雨漏りを防ぐ
屋根工事は美観を保つほか、雨漏りを防いで住宅を守る意味でも重要です。
屋根は常にダメージを受けているため、メンテナンスしないと劣化が進みます。
屋根は雨風や紫外線、あらゆる自然災害から住宅全体を守っています。
劣化が進んだ屋根を放置していると剥がれたり破損したりする可能性があり危険です。
屋根は下から見上げることしかできず、劣化に気づきにくいかもしれません。
定期的に点検をおこない屋根の状態を知る必要があります。
塗り直した屋根は新築のような美しい印象を与えます。
劣化が進んだ屋根を放置すると、色褪せや錆びが出てくる場合があります。
古びた屋根は見た目が悪く、防犯上もよくありません。
外観がきれいな住宅だと住んでいるほうも心地よく、屋根工事により色を変えることでイメージチェンジできます。
劣化症状がある、耐用年数が過ぎているなら塗装業者への相談がおすすめです。
劣化が進んだ屋根は破損し、雨水の浸入を許してしまいます。
雨漏りは住宅内部の腐食を引き起こすため危険です。
室内に及べば家財にも影響を与えます。
雨漏りはすべての箇所の原因を特定しないと改善できません。
大きな被害を引き起こすだけではなく、雨漏り修理費用まで必要になります。
未然に防ぐためにも定期的な屋根塗装を検討してください。
屋根工事(リフォーム)を依頼できる業者の種類は以下のとおりです。
・建築板金業者
・工務店
・リフォーム専門業者
・大手住宅メーカー系
それぞれ特徴があるので、以下にて詳しく紹介します。
建築板金業者とは、屋根や外壁などに使用される金属屋根の修理やリフォームを専門としている業者のことです。
近年では金属屋根への葺き替え工事も多く、屋根の工事や修理について、十分な知識や経験がある業者が増えています。
技術力の高い業者であれば、お手頃価格でクオリティの高い施工が期待できます。
金属屋根の取り付けや修理であれば、建築板金業者への依頼をご検討ください。
工務店は新築工事や増改築、リフォーム・リノベーション工事など、さまざまな工事を請け負う業者です。
全国展開しているところから家族経営・地域密着で行う小規模なところまで、さまざまな規模の工務店があります。
全国展開している大規模な工務店は経営基盤が安定しているので、安心感が強いことがメリットです。
地域密着の工務店であれば、何かあったときに柔軟・迅速に対応してもらえることが魅力です。
リフォーム業者は住宅の増改築や修繕・修理など、リフォーム工事全般を請け負う業者です。
もともと工務店などが、専門分野を活かしてリフォーム専門の会社を立ち上げるケースが大半です。
そのため業者ごとに得意・不得意があり、業者によってはすべてのリフォーム工事に精通しているわけではありません。
依頼する前に施工実績を確認しておくのがおすすめです。
どのような工事が得意なのか確認できます。
大手住宅メーカー系列の業者に屋根工事を依頼することも可能です。
大手住宅メーカーがリフォーム専門のサービスや子会社を立ち上げ、リフォーム工事を請け負うことがあります。
自社が販売・建設した住宅の定期的なメンテナンスやアフターサービスなどを行い、劣化が見られるとリフォームを提案します。
大手住宅メーカー系列なので豊富な経験や安心感があるのが魅力です。
屋根工事(リフォーム)を依頼するときの業者の選び方
屋根工事を依頼するときのポイントは下記の3つです。
・豊富な施工実績がある
・資格所有者が在籍している
・工事費用を適正価格で提供している
信頼できる業者へ依頼するためにも、施工実績や資格所有者の有無などを確認しておく必要があります。
実績豊富な業者はさまざまな施工をしてきた証拠です。
業者のなかには実際におこなった施工内容や、料金をホームページに記載しているところもあります。
ビフォーアフターの写真まで掲載されていると情報の信頼性が高いといえます。
具体的な施工方法があるとイメージしやすくなり、業者に対しても安心感を抱けるはずです。
屋根やさんでは年間施工実績3,000棟以上を誇っています。
経験豊富なため安心して工事を任せられるところが魅力です。
資格がなくても技術力のある業者はありますが、ひとつの判断材料になります。
屋根やさんでは下記の資格をもった職人が在籍しています。
・一級建築施工管理技士
・一級建築板金技能士
・二級建築士 など
資格所有者は知識と経験がある証です。
信頼できる業者を選ぶためにも、資格所有者の有無もチェックしてください。
悪徳業者は安すぎる費用でずさんな工事をしたり、相場より高額な請求をしたりする可能性があります。
見積もりを見て高すぎる業者は候補からすぐに外せます。
しかし、できるだけ費用を抑えるために安く見積もった業者と契約したいと考える人がいるかもしれません。
あまりに安いと低品質な塗料を使用したり必要な工程を省略したりする場合があります。
屋根工事には施工費用のほか人件費や材料費などが必要です。
値引きにも限度があるはずなので、相場より安すぎる業者は避けたほうが無難です。
屋根工事(リフォーム)の費用が変動する要因としては以下の4点が挙げられます。
・使用する屋根材
・屋根工事(リフォーム)を行う範囲
・施工の内容
・現場周辺の環境
それぞれ詳しく紹介するので、ぜひご覧ください。
使用する屋根材は屋根工事の費用が変動する要因の1つです。
耐用年数が長い屋根材や機能性が高い屋根材は、そうでない屋根材と比べて費用が高くなります。
自宅に必要のない機能のある屋根材を選んでしまうと、その分費用が無駄になるので注意が必要です。
ただし自宅の環境に適した屋根材であれば快適に過ごせたりランニングコストを削減できたりするので、総合的に判断する必要があります。
信頼できる施工業者と相談して自宅の環境に適した屋根材を選びましょう。
屋根工事を行う範囲が広くなるほど費用が高くなります。
屋根の一部を修理するだけなら大きな費用はかかりませんが、屋根を全面的に修理するなら費用は高額です。
高額な工事費用を捻出するのが難しい場合は、ひとまず部分修理で対応するのも1つの方法です。
ただし修理していない部分から劣化が拡大すると、さらに高額な費用が必要になることを認識しておきましょう。
屋根工事の施工内容も費用が変動する要因です。
屋根工事には部分修理、塗装、カバー工法、葺き直し、葺き替えなど、さまざまな種類があります。
施工内容によって必要な資材や技術、職人の数などが異なるため費用が変わります。
費用を抑えるなら葺き替えではなくカバー工法を選ぶなど、施工内容を検討してみるのがおすすめです。
ただし屋根や建物の状態によっては施工内容を選べないこともあります。
現場周辺の環境によっても工事費用が異なります。
たとえば以下のような環境だと、工事費用が高くなる傾向があります。
・3階以上ある建物のリフォーム
・足場を組みにくい現場
・自動車やトラックが入りにくい場所など、
一般的な環境と比べて工事のために必要な資材や手間が余計にかかるため、その分費用が高くなります。
環境による費用は節約するのが困難なため、他の変動要因を検討して費用を抑える必要があります。
屋根工事(リフォーム)の費用を抑える方法としては以下の2つが挙げられます。
・国や自治体の補助金、助成金を活用する
・外壁と同時にリフォームする
それぞれ詳しく紹介するので、ぜひご覧ください。
屋根のリフォーム工事には、国や都道府県などの自治体から補助金や助成金が出る場合があります。
国や自治体にはリフォームで必要になった費用の一部を支給してくれる制度があるので、活用するのがおすすめです。
支給された助成金や補助金は返済する必要がないため、支給された分だけ支払う金額が少なくなります。
ただしすべての自治体に助成金・補助金の制度があるわけではありません。
自治体によってさまざまな適用条件があるので、自分の工事が対象になるか事前にご確認ください。
自治体の助成金・補助金は工事前に申請しないといけないところがほとんどです。
工事中や工事後に申請しても認められないため、必ず工事前に申請してください。
屋根と外壁を同時にリフォームするのも費用を抑える方法です。
屋根のリフォーム工事は、安全のために足場を組む場合がほとんどです。
足場の設置にも費用がかかるため、外壁と同じタイミングでリフォーム工事をするほうが足場の設置費用を節約できます。
足場の設置費用は屋根工事でも外壁工事でも大きく変わりません。
屋根と外壁を同時にリフォームすると、一度に必要となる金額は大きくなってしまいます。
しかし長期的に見れば、別々に施工するよりも足場設置分の費用を抑えられます。
一度に必要な金額は大きくなりますが、費用を用意できるなら屋根と外壁を同時にリフォームするのがおすすめです。
屋根やさん(運営:植田板金店)が手掛けた屋根工事の事例をご紹介します。
屋根のリフォームを行うとどのような感じになるのか、完成後イメージの参考になれば幸いです。
セメント瓦をガルバリウム鋼板に葺き替えた事例です。
工事前の屋根の状態は表面の塗膜がかなり劣化しており、瓦の下の防水紙も寿命を超えていました。
メンテナンスをされていたため、見た目で大きな破損は確認できなかったものの、いつ雨漏りが起きてもおかしくない状態です。
そこでこの事例ではセメント瓦を葺き替え、ガルバリウム鋼板に葺き替えることになりました。
工事後は、昔ながらの瓦屋根からモダンな印象に変わっています。
釉薬瓦を金属屋根(横暖ルーフαS)に葺き替えた事例
釉薬瓦を使用していた屋根を金属屋根に葺き替えた事例です。
屋根調査を実施したところ、屋根の表面や漆喰部分もかなりきれいな状態を保っていました。
施主様が重い屋根材から軽い屋根材への葺き替えを希望されていたため、金属屋根(横暖ルーフ)を提案しました。
実際の工事では、屋根の葺き替え工事と天井断熱材工事を行っています。
工事の結果、施工前と比べてモダンでスッキリした印象の屋根になりました。
カラーベストをルーガ鉄平に葺き替えた事例です。
もともとはカラーベスト屋根で雨漏りの心配があるとのご相談をいただき、屋根の調査を実施しました。
調査を踏まえて葺き替え工法とカバー工法、数種類の屋根材をご提案させていただき、ルーが鉄平への葺き替え工法となりました。
軽量化を実現しながら鉄平石の素材感・風合いを再現した屋根材です。
工事後は古びた印象がなくなり、モダンでスタイリッシュな印象に一変しました。
住宅の寿命を延ばすためにも適切に屋根工事(リフォーム)をおこなおう
屋根工事にはさまざまな種類があります。
費用を抑えるなら、既存の屋根のうえに屋根材を重ねるカバー工法がおすすめです。
より長く維持したい場合には、今の屋根材をすべて撤去し一新する葺き替え工法が向いています。
タイミングを見極めて適切にリフォームできると屋根の寿命が延びます。
屋根は住宅全体を守る役割があるため、適切なメンテナンスが必須です。
どのような屋根工事をしたらよいのかわからない、いつするべきか悩む方は一度業者へ相談してください。
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