屋根の板金板に浮きが発生する原因は？指摘された場合の対処方法も解説
「屋根の板金板が浮いていると指摘されたが、一体どのような状況なのだろうか」「屋根の板金板の浮きは、対処しないとどのような不具合がおきるのだろうか」とお悩みではないでしょうか。
板金板とは屋根を留めるための金属部分のことです。
板金板が浮くと家全体が劣化しやすくなるだけでなく、強風で吹き飛ばされると近隣にも被害が出る可能性があります。
一方で「屋根の板金板が浮いている」と言い、不安につけ込んで契約させようとするトラブルも起きているのです。
本記事では棟板金が浮く原因や放置すると発生する不具合、訪問営業を受けた場合の対処法についてご紹介します。
屋根の板金は、経年劣化によって浮いてしまう場合があります。
「屋根の板金が浮いている」状態として挙げられるのは、以下のような例です。
・屋根の板金が浮いている
・屋根板金の釘が浮いている
どのような状態で「屋根の板金が浮いている」と判断されるのか解説します。
「屋根の板金が浮いている」「パカパカしている」ように見えたら、棟板金に異常がある場合が大半です。
雨水が浸入しやすく、屋根内部の木材の腐食や板金の錆びが起きやすくなります。
雨漏りや屋根材の飛散につながる恐れも高くなるため、放置せずに修理する必要があります。
屋根板金の釘は7～10年ほどで、浮いてしまう場合があります。
屋根の棟板金を固定する釘が緩み、側面から釘が10mm程度浮いている状態です。
棟板金は、貫板という木材の下地に釘で固定されています。
釘は貫板から完全に抜けてはいないため、棟板金がすぐに外れるわけではありません。
しかし、いずれは何らかの不具合を引き起こすかもしれないため補修が必要です。
屋根の板金板が浮いてしまう原因には、以下の原因があります。
・経年劣化
・自然災害
・寒暖差
どのようなときに浮きが発生するのか、原因を解説します。
長年使用してきたため経年劣化し、板金板が浮くことがあります。
雨風に長期に渡って晒されたことや、寒暖差などで屋根の木材が収縮したり木材が腐敗したりして、板金の釘が浮いてしまうことが原因です。
板金板を留めている釘がどんどん浮いていき、次第に外れやすくなります。
経年劣化は少しずつ進行するため、予防には定期的な点検や必要に応じたメンテナンスが必要です。
台風や地震などの際に、棟板金がはがれてしまうケースです。
たとえば台風のケースでは、強い風によって板金板が持ち上げられて釘が抜け、板金板の浮きが発生します。
地震のケースでは強い揺れによって釘のゆるみが起き、板金板が浮きます。
自然災害の被害があった後は、特に注意が必要です。
棟板金や貫板が寒暖差の影響を受けて、棟板金が浮いてしまうケースです。
木材や金属は温度変化により、膨張や収縮を繰り返すという特徴があります。
寒暖差の影響を受けた棟板金や貫板によって釘が外に押し出され、浮いてしまいます。
定期点検で釘が浮いている状況を早期に発見することが、棟板金の浮きを最小限に留めるために大切です。
屋根の板金板が浮くと、家に不具合が発生したりトラブルにつながりかねない事象がおきます。
具体的には以下のようなことが起きる可能性があるため、注意が必要です。
・雨漏りが発生する恐れがある
・棟板金が風で飛んでしまう恐れがある
トラブルの内容を実際に見ていきましょう。
屋根の板板金の浮きは、室内の雨漏りに繋がる恐れがあります。
板金板が浮くと木材のすき間から雨が入り込み、最終的に家の中にまで雨が浸入する可能性があります。
板金板の浮きを放置すると、屋根だけでなく家全体に悪影響が出るため早めの対処が重要です。
板金板が浮いていると、普通であれば問題がない程度の風でも飛んでいく可能性があります。
板板金が飛んでいくと通行人にケガをさせてしまったり、近隣の家に傷を付けてしまったりするかもしれません。
自分の家だけでなく、周りの人にも迷惑をかけることがあるので注意が必要です。
被害を出さないためにも、屋根の異変に気が付いたら専門業者に連絡することが重要です。
屋根の板金が浮いていたら、放置するのは危険です。
棟板金が大きく浮いている、外れている場合は劣化しているので注意しましょう。
・板金の釘打ち、交換
・棟の貫板の交換
・屋根塗装
以上3つの対処法について説明します。
軽度の浮きであれば、釘打ちを行います。
釘やビスで再度固定する方法です。
必要に応じてコーキングも重ね、釘浮きを防ぎます。
棟板金が錆びている場合は、錆止めの塗装をします。
ただし釘が打てないほど棟板金が劣化している場合は、釘打ちでは対応できません。
棟板金や貫板が錆びや腐敗などによって劣化している場合は、交換します。
釘打ちをしても抜けやすく固定されないこともあり、棟板金や貫板をそのまま使うリスクが高いからです。
棟板金の状態は目視での確認が可能です。
浮きや変形が見られたら、交換が必要なサインといえます。
棟板金を交換する際には、耐久性の高い素材がおすすめです。
屋根材の浮きは、防水性能の低下で起こることも少なくありません。
そのため屋根塗装によって防水性が上がることで、浮きの悪化を防げる場合があります。
屋根塗装には屋根材の表面を保護し、雨水の浸入を防ぐ効果も期待できます。
屋根の板金として、次の3種類が挙げられます。
・棟板金
・谷板金
・水切り板金
いずれも建物に雨が浸入するのを防ぐ効果があります。
しかし雨水が集中しやすく、不具合が起きると雨漏りの原因になることもあります。
それぞれの板金の役割を詳しく知って、不具合を防ぎましょう。
屋根の頂点部分に設置されるL字型の板金です。
側面に釘を打って下地の貫板に固定し、屋根が合わさる部分を覆います。
古い家では錆びやすいトタンが使われていましたが、現在は錆びに強いガルバリウム鋼板やエスジーエルを使用した棟板金が増えています。
屋根内部への雨水の浸入や、強風による屋根材の飛散を防ぐのが役割です。
経年使用によって色あせやサビ、釘抜けなどが発生します。
近年は耐用年数の長い素材が用いられる傾向にありますが、約10～15年おきを目安とした点検やメンテナンスが必要です。
谷板金は、屋根の谷部分に設置される板金です。
屋根材のつなぎ目からの雨漏りを防ぐ役割を持っています。
屋根の谷部分は雨や雪が集まりやすく、錆びや腐食によるひび割れや錆びが起こりやすい部分でもあります。
そこから雨漏りにつながる場合もあるため、近年は錆びに強いステンレス製の谷板金が多いです。
屋根と外壁から建物の内部に雨水が浸入しないよう防ぎ、正しく排水するために設置される板金です。
屋根に取り付ける水切り板金には、以下の3種類があります。
【ケラバ水切り】
ケラバとは、切妻屋根の妻側(棟の両端部)の端部を指します。
屋根の端に位置するため、雨漏りしやすい部分です。
ケラバ水切りを取り付けると、ゴミやホコリが溜まって雨漏りするのを防げます。
【軒先水切り】
軒先に設置し、雨水の浸入を防ぐ板金です。
【雨押え水切り】
1階の屋根と外壁の境目に取り付ける板金です。
他にも水切り板金は、土台やサッシに設置されています。
「屋根の棟板金が浮いている」という悪徳業者の手口の実例
屋根の板金浮きを指摘して、無理やり工事を契約させようとする悪徳業者がいます。
悪徳業者が使うことが多い声のかけ方として以下があります。
・「不具合を発見したから」と屋根に上がろうとする
・不安をあおるようなことを言ってくる
・「今だけキャンペーン実施中」などその場で契約させようとする
上記のようなトークをされたら要注意と考えてください。
それぞれの手法を解説します。
近所で工事をしている業者を装ったり、偶然屋根の板金板浮きを発見したと言ったりして屋根に上がろうとする業者があります。
「無料で点検をする」といって強引に屋根へ上がろうとしますが、基本的に訪問営業してきた業者をいきなり屋根に上げるのはおすすめできません。
不安を感じて点検してほしいと思ったら、知り合いの業者や信頼できる業者に自分から依頼してください。
訪問業者がすべて悪徳業者とは断定できませんが、万が一悪徳業者を屋根に上げてしまうと、わざと屋根を壊したり必要以上に修理を迫られたりする恐れがあります。
「このままだと大変なことになる」といって不安を煽って契約をさせようとする手段です。
早く工事をしなければ屋根以外にも被害が広がる、近所にも迷惑がかかるなどと言って契約を迫ります。
その場では信頼できると感じても、後から不安になって契約を取り下げたいというパターンが多いです。
不安に感じると判断を誤ってしまいやすいので、絶対に断ると決めておくとよいでしょう。
「今だけキャンペーン実施中」などその場で契約させようとする
「今契約すると割引をする」などといってくる手口です。
安く工事ができると消費者に信じ込ませて、検討する余地を与えずにその場で契約させようとします。
また、実際は利用できない保険が使えるなどという嘘を信じさせるケースもあります。
できるだけお得に工事したいと思うかもしれませんが、このようなことを言ってきた場合は怪しいと考えてください。
うまい話には裏があるかもしれません。
「屋根の棟板金が浮いている」と訪問営業された場合の対処法
近年「板金板が浮いている」といって家に訪問するというような事例が発生します。
本当に板金板の浮きが起きているということもありますが、悪徳な業者が契約を獲得するために訪問している場合もあります。
もしそのような訪問者が訪れた場合に取るべき対処方法は次の通りです。
・点検は依頼せずに断る
・その場で契約しない
・気になる場合は信頼できる業者に依頼する
・契約してしまった場合はクーリングオフを検討する
それぞれの対処方法について解説します。
無料点検などの訪問営業があっても、断ることが大切です。
点検を受けてしまうと、業者のペースで契約をしてしまうかもしれません。
点検自体は無料であっても、後日トラブルに繋がる可能性があります。
点検の申し出を受けた時点で断るのがよいでしょう。
点検を断っても、悪質な業者は契約を迫ってくることがあります。
訪問されたその場で契約書にサインをする、印鑑を押すなどの行動は避けましょう。
悪徳業者は相手に考える間を与えず、契約する流れに持ち込もうとします。
契約書は業者にとって都合良く記載されているケースも多くみられます。
断る言葉が思い浮かばないなら、「工務店に務めている身内がいるので、見てもらいます」と言えば引き下がることがほとんどです。
帰るように言っても居座り続ける場合は、不退去罪に該当する可能性があるため警察に通報しましょう。
板金板の浮きを指摘されて、実際に浮きの可能性がある場合は信頼できる業者に点検や見積もりを依頼するのがおすすめです。
自宅を建てた時にお世話になった業者や、知り合いに紹介してもらうといった方法があります。
思い当たる業者がない場合は、インターネットなどの口コミやメディアでの紹介実績などを重視して探すのもよいでしょう。
訪問営業で屋根の板金板の浮きに関する工事を契約してしまった場合でも、契約を解除できる可能性があります。
契約に疑問や不安があるのであればクーリングオフを検討してください。
訪問営業の場合、8日間はクーリングオフが可能です。
クーリングオフの期間を過ぎている場合やトラブルになった場合は、消費生活センターなど公的機関に相談するのがおすすめです。
消費生活センターは、各自治体などに置かれていて住んでいる地域の管轄のセンターが必ずあります。
相談先が分からないという場合は、家族や知り合いなど誰でもよいのでまずは話してみてください。
被害に遭ってしまった場合も、泣き寝入りせずにその時点でできる行動を取りましょう。
棟板金の浮きの修理を依頼しようと思ったら、業者に見積もりを取る際に以下のポイントを確認しましょう。
・ホームページで施工実績や口コミを公開しているか
・見積もりを書面で渡してもらえるか
・内訳が詳細に記載されているか
・質問に対して丁寧に答えてもらえるか
確認する理由を、詳しく解説します。
業者に見積もりを依頼する前に、ホームページをチェックしてみましょう。
実績が豊富な業者は、施工実績を公開しているケースが多いです。
施工実績が公開されていると、修理の過程が分かるため信頼性があります。
業者によっては、自社に寄せられたお客様の口コミを公開しているところもみられます。
施工業績や口コミがあるなら絶対大丈夫とはいいきれませんが、公開していない業者よりは安心感があります。
見積もりを依頼すると、適正な費用を算出するための現地調査が行われます。
屋根に登る、ドローンを使うなどの方法で調査を行い、修理箇所の面積や状態を確認します。
見積もりは必ず書面で受け取りましょう。
口頭で伝えられると「言った・言わない」の問題になる可能性が高まるからです。
書面での見積もりを依頼し、内容を細かく確認することが重要です。
内容が変更された場合も、改めて見積書を発行してもらいましょう。
変更した内容が反映されているかを確認しておくことで、後々のトラブルを防げます。
見積書を発行してもらったら、詳細に内容が記載されているか確認しましょう。
見ておきたいのは、費用の内訳や使用する部材の単価などです。
棟板金の浮きを修理するには、足場の設置も必要です。
足場代も含まれているかも確認しておきましょう。
「一式」と書かれている見積もりは、詳細がわからないため危険です。
「見積もりには含まれていなかった」と追加費用が発生するリスクがあります。
細かく見積もりを出したり、不明点を親切に教えてくれたりする業者を選ぶことをおすすめします。
施工内容や材料などわからない点が出てきたら、業者に質問してみましょう。
費用の内容を聞いてみても、たいていの業者は答えてくれます。
聞いても詳しく教えてくれない業者は要注意です。
わからないまま見積もりを取って契約してしまうと、後から追加料金を請求される可能性もあります。
疑問点が解消されないなら、他の業者へ見積もりを依頼することも視野に入れましょう。
粘り強く信頼できる業者を探して依頼するのがおすすめです。
屋根の板金板浮きが起きたときは信頼できる業者に相談しよう
本記事では屋根の板金板の浮きについて解説しました。
屋根の板金板の浮きは、自然災害や経年劣化などの影響で板金板が浮いてしまうことがあり、浮いてしまうと工事が必要です。
浮きを放置してしまうと、劣化が家全体に広がったり近所に迷惑をかけたりすることもあります。
しかし、板金板の浮きに着目して不要な工事や不適切な契約をしようとする悪徳業者もいます。
悪徳な業者に引っかからないためには、怪しい業者を家にあげないことが重要です。
「屋根の板金板が浮いている」などといって業者が訪ねてきた時は断り、信頼できる業者に点検を頼んでください。
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