瓦屋根の雨漏り修理費用の変動要素は？費用を抑えるコツも紹介
「雨漏りした瓦屋根を修理するときにかかる費用はどこで差が出るのだろう？」
「雨漏りした瓦屋根の修理費用を抑えるにはどうしたらいいのだろう？」
瓦屋根が雨漏りした際は、被害が深刻になる前に業者に修繕を依頼する必要があります。
本記事では雨漏りした瓦屋根の修理費用について、以下の点を中心に解説します。
・雨漏りした瓦屋根の修理にかかる費用の変動要素
・雨漏りした瓦屋根の修理費用を安く抑える方法
・瓦屋根が雨漏りした際の修理方法
瓦屋根の雨漏りをDIYで修理すべきでない理由についても解説していますので、ぜひ最後までご一読ください。
雨漏りした瓦屋根を修理する際、費用の差が出るポイントは以下のとおりです。
・瓦屋根の症状の範囲や状態
・雨漏りが起きている場所
・使用する屋根材の種類
・作業現場の環境
屋根の修理費用でなぜ差が出るのか、理由を詳しく解説します。
瓦屋根を修理する際、屋根の劣化症状や症状が起きている範囲または状態によって、修繕費用に大きな差が出ます。
瓦や屋根の頂上部である棟（むね）、棟と瓦のすき間に詰め込まれている漆喰（しっくい）などを部分的に補修する場合は費用を抑えられます。
また壁と屋根のすき間などに取り付けられている板金や、ひび割れた瓦を一枚だけ交換するだけであれば、あまりコストはかかりません。
ただし屋根の下地部分まで劣化している場合は、一から作り直す必要があるため、既存の屋根を撤去して新しい屋根を取り付ける葺き替え（ふきかえ）が必要です。
葺き替えをする場合は既存の瓦をすべて撤去し、屋根の下地や防水シートも交換するため、耐久性を高められるのがメリットです。
しかし葺き替えをすると施工の手間がかかり工期も長くなるため、施工費用がかさみます。
撤去した瓦を再利用する葺き直しという方法もありますが、下地が傷んでいる場合は瓦自体も劣化していることがほとんどです。
そのため、新しい瓦を取り付ける葺き替え工事を実施するのがおすすめです。
瓦屋根の修理費用は、雨漏りが起きている場所によっても費用に差が出てきます。
雨漏りは屋根や天井、外壁あるいは窓枠などさまざまなところから発生し、どこで起きるかによって修理費用が異なります。
窓枠やサッシから雨漏りしている場合は、すき間をコーティング剤で埋めるだけで済む場合もあり、費用を抑えることが可能です。
天井から雨漏りしている場合はコーティング剤で補修し、ベランダに水が溜まっている場合は排水設備を修繕します。
外壁にひび割れが起きている場合、全面的な塗装が必要な場合は費用が高額になります。
雨漏りを修繕するために瓦屋根を葺き替える場合は、使用する屋根材の種類によって費用が異なります。
粘土板岩を薄い板状にしたスレート屋根を取り付ければ、他の屋根材と比べて費用を抑えられます。
金属製のガルバリウム鋼板は丈夫で耐久性が高いのが特徴ですが、費用はやや高額なのがマイナスポイントです。
瓦に葺き替える場合は、見た目を大きく変えることなく長く使い続けられる一方で、費用は高額になります。
屋根材の種類によって金額が異なるため、それぞれの屋根の特徴を比較しながら選んでみてください。
瓦屋根の修理をする場所も、費用が変動する要素です。
機材を入れる場所が狭い場合や大掛かりな修理となる場合は、通常より多くの費用が求められる傾向にあります。
雨漏りした瓦屋根の修理費用を抑えるコツは以下のとおりです。
・雨漏りを発見したらすぐに修理を依頼する
・火災保険が適用できるか確認する
・自治体の補助金や助成金を活用する
・必要があれば外壁リフォームと同時に施工する
・築10年以内かどうかを確認する
・悪質な業者への依頼を避ける
できるだけコストを抑えたい方は参考にしてみてください。
瓦屋根が雨漏りしているのを見つけたら、なるべく早く専門業者に修理を依頼しましょう。
症状が軽度な場合は部分的な修理だけで済むケースもあり、修繕費用を抑えられます。
しかし雨漏りを放置し雨水が内部まで浸透してしまうと、屋根の下地部分まで傷み、大がかりな工事が必要になります。
下地部分まで劣化する前に修理を済ませておき、トータルでかかる費用を抑えましょう。
雨漏りした瓦屋根を修理する場合は、火災保険が適用できるかどうか確認しておきましょう。
台風や地震などの自然災害が原因で屋根が損傷した場合、火災保険が適用される可能性があります。
火災保険が適用されれば修繕費用を補てんでき、経済的な負担を軽減できます。
ただし経年劣化や施工不良、人的な破損などが原因の場合は、保険の適用外となる可能性が高いです。
瓦屋根の修理を依頼する際は、保険が適用されるか保険会社に問い合わせてみてください。
雨漏りした瓦屋根を修理する際は、地方自治体の補助金や助成金を活用できるかどうか確かめてみましょう。
各自治体では性能の高い住宅を普及させることなどを目的に、工事費の一部を補助金や助成金として支給しています。
屋根の修理をする場合、住宅リフォームや耐震改修工事補助事業などの補助金や助成金が支給の対象となるケースがあります。
年度内の予算がなくなり次第、終了する場合もあるため、支給の対象となるか施工業者や各自治体の窓口で相談してみてください。
なお補助金や助成金の支給対象や金額は、自治体ごとに異なります。
外壁にも気になる点があれば、雨漏り修理との同時施工も選択肢に入ります。
同時に複数の工事を行うと雨漏りのみの工事より高くなるため、無理に実施する必要はありません。
しかし、雨漏り修理は足場を設置して行います。
同様に足場が必要な外壁リフォームなどの工事を同時に依頼することで足場代を削減できるため、他の部分の施工が必要なら同時施工はおすすめです。
家を建てた工務店やハウスメーカーは、新築の住宅に10年間の瑕疵担保責任を負っています。
雨漏りも無償で修理してもらえるケースが多いです。
雨漏りしている住宅が新築から10年以内なら、家を建てた工務店やハウスメーカーに連絡してみましょう。
以下の特徴に当てはまる業者は悪質な確率が高いため、要注意です。
・強引な営業をする
・不安を煽る言動をする
・断っても退去しない
その場で契約するのは避け、どうしても退去しなければ警察へ通報しましょう。
瓦屋根が雨漏りした場合の修理方法について、部分工事で修繕できる場合と全面工事が必要な場合に分けて解説します。
それぞれどのような工事が行われるのかお伝えしますので、瓦屋根の修理を検討している方は参考にしてみてください。
瓦の一部がひび割れていたりすき間が空いていたりする場合は、不具合が起きている瓦のみを交換したり修復したりして修繕します。
また棟や漆喰、雨樋などの部分的な補修を行う場合も部分的な工事で済むため、全面工事よりも修理費用を抑えられます。
このように被害が大きくなる前に修繕しておけば、トータルでかかるコストを抑えられるので、定期的に点検やメンテナンスしておきましょう。
屋根の下地まで腐食している場合は、瓦だけを交換しても雨漏りの根本的な解決にはならないため、屋根の葺き替えが必要です。
葺き替えを行う場合は下地から作り直すため、大がかりな工事になります。
一から作り直すので修繕後に長く使い続けられますが、部分的に修繕する場合と比べて修理費用がかさんでしまいます。
ただし「修理費用が高いから」と修理を先延ばししてしまうと、不具合が進行して多額の修理費用がかかってしまいかねません。
全面修理にはお金がかかりますが、思い切って業者に頼んで、不具合をしっかり直してもらった方が長い目で見るとコストパフォーマンスが良いはずです。
瓦屋根の修理内容は、以下のように分類されます。
・瓦屋根の並べ直し
・瓦屋根のコーキング補修
・瓦屋根の差し替え
・瓦屋根の葺き直し
・瓦屋根の葺き替え
・棟瓦の積み直し
・漆喰の補修
・屋根の付帯部分の修理
それぞれの修理がどのように行われるのか、より具体的に説明します。
台風や地震などにより瓦屋根がずれた際に行われる修理方法です。
ずれた瓦を一度取り外し、並べ直します。
新しい瓦を購入する必要はないため、道具や材料費は不要です。
各種ある瓦屋根の修理方法の中で、比較的コストを抑えられます。
ただし瓦屋根の下地が破損している場合は下地の修理や補強も行うため、費用は加算されます。
瓦屋根がひび割れている場合は、ひび割れた瓦の隙間をコーキング材で埋めて補修します。
コーキング材は高額ではないので、ひび割れが軽微なら安価で対応できるケースが多いです。
瓦が大きくひび割れしている場合は補修での対応が難しいため、差し替えをします。
瓦屋根がぱっくりと割れている、瓦自体が紛失していたなどの場合に行われる方法です。
差し替える場所の瓦を外し、新しい瓦に差し替え（交換）します。
少量であれば比較的安価に行えますが、枚数が多くなると費用も上がります。
瓦自体は問題なく、屋根の下地や防水シートが劣化している場合は、葺き直しが行われます。
瓦屋根を一度解体して防水シートの交換や下地の作り直しなどを行い、解体した瓦を並べ直します。
瓦がそのまま使えるなら購入費用はかかりませんが、瓦が破損している場合は追加費用が必要です。
一般的な住宅では屋根に1000〜3000枚ほどの瓦が使われているため、設置するのに多くの時間がかかり、費用も上がります。
雨漏りの範囲が広い場合や部分修理での対応が難しい場合は、瓦屋根の葺き替えを行います。
屋根材の廃棄処分や下地の交換・補修、新しい屋根材の購入・設置などを行うため、全面張替えとなります。
大規模な工事のため、相応の工数や費用が必要です。
ただし交換する屋根材によっては耐震性やデザイン性などが向上するので、居住性のアップも期待できます。
築年数が長い住宅も、葺き替えを提案する場合があります。
瓦屋根の最も高い場所にある棟部分には、棟瓦が取り付けられています。
棟瓦の積み直しは、ずれやひび割れなどが発生した場合に行う方法です。
棟を解体し既存の土台を撤去してから新しい土台を作る必要があるため、時間も費用もかかります。
棟瓦は雨漏りを防ぐために重要な役割があるため、早めに修理をしましょう。
瓦屋根の防水や接着の役割を持つ漆喰が劣化すると、棟の中に雨水が浸入して防水シートの劣化や雨漏りにつながります。
そのため、劣化した漆喰は詰め直しや取り直しの補修が必要です。
ひび割れや欠けが発生した漆喰は、取り除いた後に新しい漆喰の詰め直しを行います。
漆喰の劣化が大きく瓦自体がズレている場合は、漆喰の取り直しを行い瓦を改めて積みます。
工事期間や費用は、漆喰の詰め直しより取り直しの方が高額です。
雨樋や天窓など屋根の付帯部分で雨漏りが発生している場合は、補強や交換などを行います。
全体交換のケースでは、費用も高めです。
交換によって既存の雨樋を処分する場合は、産業廃棄物手数料も必要となります。
瓦屋根の雨漏り修理は、一般的に1日から2週間程度が目安です。
以下の要因によっても、工事期間は左右されます。
・工事内容
・雨漏りの規模
・工事依頼を行う時期
・依頼を受ける業者の状況
台風の後や梅雨など業者にとって忙しい時期は、依頼をしても施工してもらえるまで時間がかかることも少なくありません。
工事を依頼する業者に確認を取って、スケジュールを把握しておくのがおすすめです。
お手頃な費用で瓦屋根の修理を行ってくれる業者の特徴
瓦屋根の修理をお手頃な費用で行ってもらいたいなら、以下の特徴を持つ業者に依頼しましょう。
・雨漏り診断士が在籍している
・調査によって原因を特定する
・具体的に説明する
・詳細な見積書を出している
・丁寧に対応している
・アフターフォローが充実している
・必要があれば外壁リフォームと同時に施工する
・築10年以内かどうかを確認する
・悪質な業者への依頼を避ける
それぞれの特徴を詳しく解説します。
雨漏り診断士は、雨漏りの原因や症状への知見を持っています。
住宅の雨漏りを早期に適切に解決することに期待できるため、雨漏り診断士が在籍した業者であるかどうかは大きな判断要素となりえます。
すぐに修理してほしいと思われるかもしれませんが、原因を特定しなければ、また雨漏りが起きて修理費用がかかります。
実際に調査して原因を特定する業者なら、根本的な解決や再発防止につながりやすいのでおすすめです。
口頭の説明や抽象的な説明をするだけの業者は、後々トラブルにつながるリスクがあります。
写真や映像などを活用して具体的に説明する業者は、安心できる業者である可能性が高いです。
見積書を出している業者は信頼できると思われがちですが、詳しく内容を見たうえで判断しましょう。
「一式」など詳細がわからない見積書は曖昧で、おすすめできません。
信頼性の高い業者は、使用する材料や必要数を細かく書いた見積書を出して説明します。
疑問点や不明点を丁寧に説明して解消に努めているかどうかも、信頼性の高い業者の特徴です。
「こんなことは聞いたら迷惑かな？」と思うことでも積極的に確認し、納得できる修理をしてもらいましょう。
雨漏りの修理は難易度が高く、経験豊富な業者が対応しても一度で解決できない場合もあります。
無料の定期点検サービスや工事後の保証を行っている業者なら、万が一の場合も安心です。
外壁にも気になる点があれば、雨漏り修理との同時施工も選択肢に入ります。
同時に複数の工事を行うと雨漏りのみの工事より高くなるため、無理に実施する必要はありません。
しかし、雨漏り修理は足場を設置して行います。
同様に足場が必要な外壁リフォームなどの工事を同時に依頼することで足場代を削減できるため、他の部分の施工が必要なら同時施工はおすすめです。
家を建てた工務店やハウスメーカーは、新築の住宅に10年間の瑕疵担保責任を負っています。
雨漏りも無償で修理してもらえるケースが多いです。
雨漏りしている住宅が新築から10年以内なら、家を建てた工務店やハウスメーカーに連絡してみましょう。
以下の特徴に当てはまる業者は悪質な確率が高いため、要注意です。
・強引な営業をする
・不安を煽る言動をする
・断っても退去しない
その場で契約するのは避け、どうしても退去しなければ警察へ通報しましょう。
雨漏りした瓦屋根の修理を専門業者に依頼すべき理由は以下のとおりです。
・作業時に危険が伴うため
・雨漏りを悪化させる可能性があるため
なぜ雨漏りした瓦屋根をDIYで修理するべきでないのか、それぞれの理由について解説します。
屋根の修繕は高所での作業になり、転落すると大けがをするリスクがあるため、自分で修理しようとせず専門業者に依頼しましょう。
雨漏りにより漏電が起こる場合もあり感電の危険性もあるため、むやみに作業しないでください。
雨漏りを見つけた場合は、床を濡らさないようにバケツを置いておき、家具や家電を濡らさないように別の場所へ移動する程度に留めておきましょう。
自分でできる範囲で応急処置をしておき、本格的な屋根の修繕は業者にまかせるのがおすすめです。
雨漏りした瓦屋根をDIYで修理した場合、かえって雨漏りを悪化させる可能性もあるためおすすめできません。
セメントなどで瓦のすき間を埋め、雨水を外へ排水する出口をふさいでしまうと、余計に症状が悪化してしまいます。
またコーキング剤を塗ることで雨水が流れる経路が変わり、雨漏りがひどくなり、結局は修理の依頼時に費用がかさんでしまいます。
雨漏りは根源を見つけて元から直す必要があるため、はじめから専門業者に修理を依頼するのがおすすめです。
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